新築か既存施設活用で年内に方向性 湧別町庁舎集約化

2022年08月01日 18時00分

 湧別町は庁舎等集約化について、年内に方向性を固める意向だ。効果的な財政運営を図るため、庁舎は2016年から上湧別庁舎と湧別庁舎の分庁方式を採用。庁舎新築と上湧別庁舎、湧別庁舎、文化センターTOM、中湧別小の既存4施設の活用を軸として、集約化の検討を進める。既存施設を活用する場合、新築よりも費用が抑えられる半面、改修や増築が必要となるケースも出てくるため、利便性や安全性、経済性、機能性の観点から、検討委員会で議論を深める。

検討委員会の第2回会合。答申に向けて議論を本格化させた

 町は22年度に検討委員会を立ち上げた。7月27日に上湧別コミュニティセンターで第2回会合を開催。その中で、庁舎を新築する場合と既存4施設のいずれかを庁舎として活用する場合のメリット、デメリットを示した。

 庁舎新築の場合は、町内各地区からの利便性が高い場所に建設が可能とした。防災機能やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、環境負荷に配慮した庁舎機能を備えた施設を建設当初から整備できることも利点だ。一方で、用地確保が必要となる。

 既存施設活用をみると、上湧別屯田市街地にある上湧別庁舎はSRC造、3階、延べ2815m²の規模で1987年に建設。耐震基準を満たしていて、津波災害のリスクが低い一方で、防災機能の向上や、職員約140人を収容するための改修や増築が必要となる見込みだ。

 湧別庁舎は栄町に位置し、RC造、3階一部4階、延べ2787m²の規模で78年に完成。延べ2668m²の第2庁舎が併設している。耐震診断は終えているが、未改修となっている。

 全職員が収容できるが、耐震基準を満たしていないため、耐震化を含む大規模改修が必要で多額の費用が想定される。また、津波災害リスクが高いことも懸念材料の一つとなっている。

 中湧別中町の文化センターTOMは、まちの中心部に位置していて、住民の利便性が高い施設。RC造、2階、延べ2864m²の規模で92年建設と比較的新しい。

 耐震基準を満たしていて津波災害リスクが低いものの、文化施設のため庁舎機能を持ち合わせておらず、庁舎として活用する場合は、中湧別地区に他の集会施設を設ける必要性も出てくる。

 中湧別小は中湧別南町に所在し、RC造、2階、延べ3825m²の規模。77年建設だが耐震化済みだ。まちのほぼ中心部に位置する一方で、改修や増築が必要となり、学校施設のため庁舎機能を持ち合わせていない。

 既存4施設はいずれも、DX推進に対応した庁内LANの引き直しや、施設の耐用年数を考慮し、数十年後には建て替えの可能性も生じてくる。

 また、新築や改修の財源に活用できる合併推進債は、24年度までに実施設計を完了させることが条件となるため、町は議論のたたき台となる新築、改修費の算出を進める考えだ。


関連キーワード: オホーツク 庁舎

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