網走開建は、紅葉川幹線排水路を対象に訓子府地域の整備構想を策定する。流下断面の拡大を想定。近年の豪雨に対して不足した排水能力を確保する。年度内に現況を精査し、整備手法や施工箇所などを整理して整備構想をまとめ、早期の事業化に備える。
訓子府町と、一部で置戸町を含む常呂川左岸に広がる畑地約540ha。1972-78年度に国営北栄土地改良事業で紅葉川幹線排水路3.9kmを造成した。降雨量が増加した近年は、2016年8月に護岸75mが被災するなど周囲の農地でたびたび湛水被害が発生。再発防止のため、地域から排水路整備の要望が上がっている。
開建は、19年度末から予備調査を開始。21年度までに降雨や流出量の変化、排水路系統など施設環境、土地利用といった地域の実態把握に取り組んできた。22年度はより踏み込み、排水路断面調査などを進めて課題を検証し、排水整備計画を練って整備構想を策定する。
地域に頭首工や排水機場はなく、整備対象は紅葉川幹線排水路1条となる見通しだ。構想で整備延長や新たな断面・勾配、護岸や落差工などの対応を取りまとめる。現在の敷き幅は全区間を通して約1mにとどまり、拡幅により流下能力を確保したい考え。ほぼ全域を施工箇所にみて対策を検討する。