温泉で通年栽培可能に 伊達市が農業法人誘致目指し掘削へ

2022年08月31日 17時00分

館山下町で計画

 伊達市は農業生産法人の誘致に向け、館山下町で温泉掘削を計画している。温泉熱で通年栽培が可能な環境を整え、法人の農業団地整備などにつなげる。2022年度は民有地5649m²を取得して温泉を掘削し、23年度以降に給湯管の新設などを進める。5日開会予定の定例市議会に工事費など1億9765万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出する。

 農業生産法人の誘致は、地域農業の持続的発展と地域活性化が目的。市が温泉供給のための基盤整備までをし、周辺地区へのスマート農業技術を活用した大規模施設園芸の導入や農業団地整備などを目指す。

 掘削場所は道道南黄金長和線沿いの館山下町69の1。長流川の左岸に位置し、民間の温泉施設「伊達温泉」の南西側に当たる。補正予算可決後に試掘する予定で、温度は60―70度、湯量は毎分200Lを想定する。

 年度末までに泉源として整備する予定。今回の補正予算案には用地取得、測量、温泉掘削、近隣の農業排水路を温泉排水に活用するための調査、エネルギーコスト検討の費用を盛り込んだ。

 市農務課では「温泉熱利用で冬場のハウス栽培が可能となる。高収益作物を通年で収穫できれば、伊達野菜のブランド化にも貢献できる」と話す。

 近隣では、壮瞥町が弁景温泉の温泉熱を壮瞥町地熱利用野菜団地に供給し、トマトの栽培に取り組んでいる。


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