売却先のホテルショコラが民事再生申請
長沼町が町有地フラワーパークの売却先に決めていた英国チョコレートブランドのホテルショコラ日本法人(本社・東京、長瀬寛幸代表)が東京地裁へ民事再生法の適用を申請したことで、9月を見込んでいた土地売買の契約が白紙となった。今後の対応については、町議会に経過報告しながら方針を判断する考えだ。
8月31日の町議会産業建設文教常任委員会で同社の適用申請を報告した。
同社は7月28日に適用申請した。負債は債権者約100人に対し51億4000万円(うち親会社への債務が約39億円)。2018年7月に設立し、全国で積極的な店舗展開をする一方、親会社からの輸入コストがかさんで損失が加速。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で売上高は大きく減少し、22年に入ってウクライナ情勢による為替変動や物価高が追い打ちとなり、法的手続きで再建を目指すことになった。
東4線北10号の町有地フラワーパーク11.6haの売買について、町が公募型プロポーザルで同社を契約候補者に決め、21年6月の町議会で財産処分の議案を可決した。同社はチョコレート工場や宿泊施設、カフェを含む観光施設などの新築を計画。23年の着工、24年の稼働を想定。土地売買価格は2324万8300円とし、21年9月にも契約する見通しだった。
その後、土地が斜面のため雨水が流れやすいことから、町と同社の責任分担などを協議。土地調査などの遅れもあったが、町は同社の用地確定測量や手続き後のことし9月にも契約したい意向だった。
町は8月3日に東京で開かれた同社の債権者説明会にオンラインで参加。再生計画はまとまるまで6カ月ほどかかる見通し。今後については契約候補者の取りやめ、再生計画を待ってからの判断など、さまざまなケースを検討し判断する考えだ。