室蘭建管は浦河町内で進める上向別浦河停線交付金事業でトンネル2本の新設を計画し、2023年度にも地質調査と実施設計に入る。太平洋に面する現道を山側に切り替える津波避難道路整備の一環。先行する延長414mの2号トンネルは26年度着工を目指す。トンネル2本の事業費には40億円を試算。トンネルを含む残延長は1150mで、30年度の完了が目標だ。
国道235、236号、336号と重複している海沿いの路線終点部を山側に切り替える。事業区間は浦河町緑町を起点とし同町常盤町を終点とする延長2000m。全幅8・5mで車道6m。16年度に事業化して起点側から土工を進め、22年度末で日高振興局東側まで暫定土工が到達する予定だ。23年度以降の残事業費は60億円を見込む。
トンネルの延長は起点側に新設する1号トンネルが196m、続く2号トンネルが414mで、車道幅員はどちらも6m。当初は切り土と法面による整備を計画していたが、21年度にドーコンに委託して進めた予備設計で、土砂に含まれる重金属の処分量などを比較検討した結果、コスト面でトンネルの方が優れているとした。
23年度からトンネル区間の地質調査と実施設計に入る考え。先行する2号トンネルの起点坑口部に地滑りが観測されているため、実施設計の完了後に24、25年度で地滑り対策箇所の用地買収と施工をする。2号トンネルは26年度に着工し、終点側からNATMによる片押しで施工する。
30年度の事業完了を目指し、5カ年で2本のトンネルを新設する計画だ。