新庁舎建設、月内にも判断 遠軽町が基本計画案

2022年10月31日 17時20分

最大6000m²、56億円試算

 遠軽町は、役場新庁舎建設の是非を判断する材料として基本計画案をまとめた。新庁舎建設の場合はRC造で検討し、役場部分は延べ5000―6000m²の規模が必要となる。新庁舎と一体的に整備する遠軽地区広域組合の消防本部・消防署新庁舎は延べ1500―2000m²の規模を見込む。概算事業費は役場庁舎が56億9000万円、消防庁舎が26億8000万円。9日の町民説明会を経て、月内にも建設の是非を判断する考え。新庁舎建設となれば、2022年度内に基本・実施設計に着手し、23―25年度で施工を進める計画だ。

老朽化で建物の劣化が進む遠軽町役場庁舎

 1条通北3丁目の役場庁舎は1972年に完成。RC造、地下1地上3階塔屋1階、延べ4365m²の規模で、遠軽地区広域組合消防本部・消防署庁舎を併設している。敷地面積は1万8148m²。建物は現行の耐震基準を満たしていないほか、建物の老朽化が著しい。

 加えて、庁舎内はエレベーターや多目的トイレが設置されておらず、バリアフリー化が不十分な状況。待合スペースといった町民サービスを提供する空間の不足、書類やIT機器の増加に伴う職員の執務空間の狭隘(きょうあい)化などが課題となっている。

 基本計画案によると、現庁舎の耐震化や未利用公共施設改修の場合、増築などが必要となるため、消防庁舎を含めて50―60億円程度の事業費が掛かる。長期的視点や工事費の縮減効果などを勘案し、庁舎建て替えが最も優位性が高いとした。

 役場新庁舎で執務する職員数は200人を見込む。窓口業務、行政事務、議会、災害対応、一時避難の各エリアで階層を構成する見通しだ。

 建設地は町民が長年慣れ親しんだ場所で、災害時の避難救助や緊急車両通行が確保できる幹線道路に近いことなどから、現庁舎の前庭を候補とする。

 また、防災対策拠点施設として機能できるよう構造体はⅠ類、建築非構造部材はA類、建築設備は甲類に相当する性能を持たせる考え。窓口業務のサービス形態や執務室のユニバーサルレイアウト導入、バリアフリー化なども検討する。

 概算事業費のうち本体工事費に45億4000万円、外構に2億2000万円、解体に2億7000万円をみている。

 一方、消防本部・消防署新庁舎は緊急時の出動動線や消防活動後の衛生面を考慮したゾーニングとする計画。各種救助や高所活動車などの訓練を実施するための訓練棟も設ける考えだ。

 整備に当たっては、職員が仮眠待機する部屋を個室化し、女性職員の雇用人数にも臨機応変に対応可能な区画構造とするなど、将来を見据えた庁舎とする方針だ。

 概算事業費のうち本体工事費に20億2000万円、訓練棟に9000万円、外構に3000万円、解体に4000万円を見込む。

 財源は、国の緊急防災・減災事業債や合併特例債の活用を視野に入れている。このほか、ZEB化に関わる活用可能な補助金の情報収集も進める。外構や備品購入、各種ネットワーク整備費は一般財源などで対応する。


関連キーワード: オホーツク 庁舎

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