積雪寒冷地の住環境をもっと学びたい
「自分ができることをベースに北海道のため何かしたい。夢は地元長沼町の暮らしにアドバイスできるような研究者になること」
高校卒業後、大工になるため室蘭工大に進学。「実家が工務店で、自分も当たり前に大工になるものだと思っていた」

中野佑美さん
在学中、フィンランドのラップランド大学への留学がきっかけで積雪寒冷地の住環境に強く興味を持ち、北大工学研究院の修士課程に進んだ。そこで「積雪寒冷地における社会的弱者の住環境の実態」をテーマに研究し、学会での発表やワークショップへの参加など勢力的に活動してきた。
「社会的弱者とは低所得者や障害者、高齢者、ひとり親家庭など声を出しづらい人たち。だからこそ、社会的に守らなければいけない」。弱者が衣食住の負のスパイラルに陥らないよう、まずは「一定の住宅の質の担保」が重要と説く。
「スウェーデンなど諸外国では、暖かい家は人権の一つと考えられている。最低室温は18度以上でなければならないとする『室温規制』があるが、日本にはない」
北海道と同じ積雪寒冷地であるスウェーデンの住環境や住宅支援制度などをもっと学びたいと思い、2020年夏からの留学を計画するも、コロナ禍で渡航はかなわなかった。春からは博士課程に進学予定で、試験の準備を進める。博士課程の3年間で留学のリベンジを誓う。
1995年生まれ、長沼町出身。休日は18年に入会した長沼町青年団体協議会の活動に参加するなどアクティブに過ごす。(惣田こころ)