幌内3地区復旧治山に着手 宇隆2はダム2基新設着工
胆振総合局林務課は、2022年度補正予算で進める厚真町内の北海道胆振東部地震復旧関連で、主要地区の事業概要を明らかにした。幌内3地区復旧治山に事業着手するほか、宇隆2地区復旧治山で治山ダム2基新設に着工。東和地区H治山激甚災害対策特別緊急では山腹1万2000m²などを発注する予定だ。工事は2月から順次、公告する。
胆振東部地震では町内北部を中心に大規模な山腹崩壊が発生。同課は荒廃山地の再生に向けて災害対策工などに取り組んでいる。補正予算で3地区に合わせて4億8100万円が措置された。
今回の補正で事業着手する幌内3地区復旧治山は、シュルク沢川の流域で進める。日高幌内川の合流点から1.6km上流に位置する右岸の幌内X山腹と左岸の幌内E山腹、E山腹南に隣接する4B沢が対象。総事業費に2億2000万円を試算し、事業期間は2カ年を予定する。
X、Eの両山腹で伏せ工1万9200m²、実ぱ5460m²などを計画。E山腹は18年度に別事業の災害関連緊急治山で法切り、土留め擁壁、水路を施工し、土砂が安定したため緑化する。X山腹は未着手。4B沢は流木を除去後、堤長31m、堤高5.5mの治山ダム1基を新設する。
補正予算の地区事業費は1億800万円。内訳は設計費と山腹工事費で、設計は2月の指名を予定する。工事費は繰り越し、設計を終えた後、今夏にも工事発注する。残るE山腹の一部と4B沢の治山ダム新設は23年度事業となる。
継続の宇隆2地区復旧治山は、残事業費2億500万円が全額補正措置されたことを受け、事業完了を目指す。
A、Hの両工区で山腹を進めている。沢の中に崩壊地が残っているため、残事業では沢の最下流にそれぞれ治山ダムを新設する。概要はA工区が堤長51.5m、堤高5m、H工区が堤長99.5m、堤高7m。工区ごとの発注を検討し、A工区には流木除去が含まれる見通しだ。2月の公告を予定する。
東和地区H治山激甚災害対策特別緊急も補正で残事業費1億6800万円が全額措置された。A、B、Cの各山腹で合計1万2000m²などを進める。工事は一括して2月にも公告する。
A山腹は植生マット伏せによる緑化に着手し、基部に延長109.5m、高さ3mの土留め擁壁を新設する計画。B山腹は植生マット伏せを継続、C山腹は一部法切りし実ぱによる緑化に入る考えだ。