美瑛町が十勝岳望岳台の旧レストハウス跡地に建設した防災シェルターが、19日にオープンした。予期せぬ突発的な噴火から観光客の安全を確保するための施設。当日は浜田哲町長ら関係者が現地でテープカットし、新施設の完成を祝った。
30年周期で噴火を繰り返してきた十勝岳を抱える美瑛町では、地元を訪れる観光客のため10年以上前から防災シェルターの建設を構想してきたが、事業費や許認可の問題で、実現できずにいた。
しかし、2年前の御獄山噴火により施設整備が急務となり、町は各関係機関の協力の下、事業手法を模索。国の消防防災施設整備費補助金による整備が可能となり、昨年12月にようやく着工にこぎ着けた。
規模はRC造、平屋、延べ303m²。総事業費は約4億円。十勝岳などに関する解説パネルをはじめ、火口の状況を表示する大型モニターを展示している。非常時は100人程度が収容可能で、非常食や毛布を備蓄するなど救出作業が困難な場合の一時滞在施設としての役割を果たす。
また、施設内の内装や木製サッシ、コンクリート打設時の型枠には美瑛産カラマツを使用した。防災シェルター本体は主体設備一括で清水組が施工。実施設計は中原建築設計が担当した。
テープカット後、浜田町長は「現在、上富良野町と進めているジオパーク構想の情報発信基地としても活用していきたい」と抱負を述べた。