苫小牧商工会議所など地元経済界で組織する苫小牧統合型リゾート(IR)推進協議会(藤田博章会長)は、独自の苫小牧版IR構想「北海道ホワイトIR構想」をまとめた。苫小牧市植苗の民有地を建設予定地とし、広大な原生林に抱かれた世界初の自然共生型IRをコンセプトに、最上級のラグジュアリーホテルリゾートや富裕層向けの分譲ヴィラ、ショッピングモール、カジノ、レストラン、温泉施設などを整備。国内外から年間1000万人の利用者を見込み、経済効果は施設建設時で投資金額最大1500億円、施設運営時で消費金額最大1580億円を試算している。
同協議会は、IRに関する啓発活動の推進などを目的に2016年8月発足。市内を中心に46の企業や団体で組織し、道外の大手ゼネコンも名を連ねる。
構想では、新千歳空港に近い苫小牧市植苗の民有地883haを建設予定地に設定。樽前山の山裾に広がり、支笏洞爺国立公園までつながる森林のうち、開発面積はわずか0.95%で、このうちカジノは3.28%にとどめる。
ホテルや富裕層向けの分譲ヴィラ、ショッピングモール、カジノ、レストラン、温泉施設のほか、世界的な競走馬の産地としての優位性を生かした競走馬の品評会、国際会議場、見本市、展示会、動員20万人規模のミュージックフェスティバルなどが開催できる施設を整備するとしている。施設の総面積は39万6400m²になる。
苫小牧の地域特性を生かした氷室・地熱・太陽光発電、ロシア極東地域の優良な天然ガス田からのパイプラインなどを組み合わせたエネルギーネットワークも構築。地元資本でエネルギーセンターを設立し、IRにエネルギー供給する。
新千歳空港とIRをつなぐ高速自動走行水素バス専用道路や国道36号へのアクセス道路なども整備するとしている。
施設の建設費は最大1500億円を見込む。IRの利用者を年間1000万人とし、施設運営時の消費金額は最大1580億円。資材購入など施設運営の経済効果は2230億円、施設の雇用人数は2万5200人に上ると推計。IRからの収益は森林資源保護の財源に活用する。
同協議会は苫小牧でのIRが実現するよう、この構想を誘致活動に生かしていく考えだ。