リモートワークの後は露天風呂でリフレッシュ―。登別市はワーケーションを通じた移住促進事業の一環で、8月下旬からカルルス温泉の3つの旅館を宿泊先とするモニターツアーを始める。関係人口の増加や将来的な移住につなげたい考えだ。これに先立ち、30日から専門家を招いたテストツアーを予定している。
市の地域資源である温泉を生かしたワーケーションを進めるため、2020年度に事業化。支笏洞爺国立公園内で古くから湯治場として使われ、スポーツ合宿など長期の受け入れが可能なカルルス温泉を対象とする。泉質は無色透明、無味無臭の単純泉で、神経痛などに効能がある。
モニターツアーは東京、大阪、札幌の企業が参加して3回を予定。湯元オロフレ荘、鈴木旅館、森の湯山静館を使い、3泊4日の日程で1回10人ほどを受け入れる。ワーケーションの型別に企業研修型、家族が同行する福利厚生ファミリー型、出張などに伴う個人利用型を想定したプログラムとする。
宿泊費やレンタカーなど滞在中の費用は市が負担。仕事場所は旅館の部屋、旅館施設内、日本工学院北海道専門学校のサテライトオフィス、登別温泉のカフェなどから選んでもらう。ツアーを含めた支援業務をJTBに委託。旅館内への机やテーブル、Wi―Fi環境の整備などをしている。
テストツアーは、東京と札幌からまちづくりや観光の専門家4人が参加し、2泊3日の日程でモニターツアーに向けて助言する。
この結果を踏まえ、10月には登別市ならではのプログラムを組み、テストマーケティングを兼ねたモニターツアーを実施したい考えだ。
市総務部企画調整グループでは「静かな自然環境の中で温泉をはじめとする登別の魅力を堪能してもらい、関係人口の増加や移住につなげたい」と話している。(室蘭)
(北海道建設新聞2021年6月22日付11面より)