月内にも業務発注
遠軽町は新庁舎建設の是非を判断するための基本計画策定に取り掛かる。月内にも策定業務を発注し、6月ごろまでに取りまとめる見通し。建設すると決めた場合は、財源として活用を見込む緊急防災・減災事業債、合併特例債の発行期限である2025年度の完成に向け、取り組みを進める考えだ。
1条通北3丁目に位置する役場庁舎は1972年に完成。RC造、地下1地上3階塔屋1階、延べ4365m²の規模で、遠軽地区広域組合消防本部・消防署庁舎が併設している。敷地面積は1万8148m²。建物は現行の耐震基準を満たしていないほか、築後49年が経過し老朽化が著しい。
また、庁舎内はエレベーターや多目的トイレが設置されていなく、バリアフリー化が不十分な状況。加えて、待合スペースといった町民サービスを提供する空間の不足、書類やIT機器の増加に伴う職員の執務空間の狭隘(きょうあい)化などが課題となっている。
町がこのほどまとめた基本構想では、災害発生時の災害対策本部としての機能発揮、業務継続を念頭に置く。現庁舎が抱える課題解決をはじめ、町民の利便性、快適性の向上、効率的な行政運営を図ることができる庁舎を目指す。
新庁舎の規模を検討するための基本指標として、人口1万8000人、勤務職員数200人、議員数16人を想定。新庁舎を建設する場合は、現庁舎前庭(敷地面積7800m²)を候補地に挙げている。
基本計画策定には660万円の予算を充て、基本構想を基に事業計画や基本建築計画、概算事業費などを取りまとめる。
佐々木修一町長は4日の22年度予算案発表で、「道の駅整備や芸術文化交流プラザ建設など大型事業を進めてきたため、新庁舎の検討はもう少し先になると考えていた」と話し、財政的に有利な起債の発行期限延長などが、庁舎検討に着手する要因にあるとした。
また、「経費の削減を図るため遠軽地区広域組合消防本部・消防署庁舎と一体的な検討になる思う」との考えを示した。