室蘭建管が9月にも築堤4万m³公告
室蘭建管は、安平川改修で下流域の苫小牧市弁天地区に計画する河道内調整地の2023年度以降残事業費に81億円を試算している。外周となる堤防の未着手延長は13万9240m。23年度は22年度補正繰越ほか3工区として築堤4万m³を9月にも一般競争公告するほか、用地買収などを継続する。
安平川は、安平町と由仁町の町界にあるシアビラヌプリ(364m)を源流とし、安平町内、苫小牧市内を流下して太平洋に注ぐ延長49.8kmの2級河川。流域の市街地、農地を保全するため河道掘削や堤防整備などを進めている。
河道内調整地の整備は、工業地が集中する下流域の浸水被害を軽減するのが主目的。苫東中央IC南側から勇払川合流部付近までの5kmで両岸を引き堤とし、弁天沼を含む950haを洪水貯留地とする。100億円を投じ、外周となる延長14km、天端幅4mの堤防を10―15年程度で完成させる計画だ。
堤防は、22年度末までに弁天沼南東側の760mを高さ約3mの暫定高で施工。完成高は地盤の高さによっても異なるが、3―6mとなる。22年度補正繰越ほか3工区の施工位置は暫定施工箇所の周辺。暫定箇所の上に盛り土し、完成高とすることも検討中だ。
弁天沼など周辺一帯が重要湿地に選定されていることから、環境に配慮して調整地内は掘削しない方針。新しい堤防が完成した後、既存堤防は撤去する。