シベリアこぼれ話 ノボシビルスクを訪ねて(上)

2018年03月13日 15時00分

 ロシア滞在中の2月12日、国内外の投資プロジェクトを推進する「ノボシビルスク州投資発展エージェンシー」を訪れた。ズィリャノフ・アレクサンドル社長は「ノボシビルスクは国内でも建設業が盛んな地域で、経済でも優先分野となっている」と話す。現在、建設資材に関する先進技術センターを建てる計画が郊外で進行中だという。

 同社は州政府100%出資会社で2005年に設立。積極的な企業誘致や研究支援で先進的な技術を取り入れ、同州の発展に貢献している。

 同社が既に進めている投資プロジェクトの一つが産業・ロジスティクパーク。総面積2000haの敷地内には、食品やガラス、コンクリート工場といった多様な国内外の企業が立地する。シベリア横断鉄道沿いに位置し、国際空港も数㌔圏内にあるなど物流体制も整っている。

 計画中の先進技術センターでは、資材会社と大学、研究所が提携し、原料の採掘から実用化までのプロセス構築を目指す。省エネ技術やスマートシティのほか、ことし6月にノボシビルスク市が125周年を迎えることから、まちづくりへの関心も高い。「知識を応用して新しい材料を作ることが大事で、人材育成にもこれから力を入れたい」と、日本の大学や研究所との協力に期待している。

 同市の郊外にある学術都市「アカデムゴロドク」は、ノボシビルスク国立大などの教育機関と40カ所以上の研究所、約400社が入居するテクノパークで構成される。ITやバイオ、医療分野などを中心に先進的な研究が進み、日本の研究機関とも提携している。建設分野でも互いのノウハウを生かして、さらなる技術向上が図れそうだ。

「アカデムゴロドク」の州政府機関ビル

「アカデムゴロドク」の象徴となる州政府機関ビル

 2月13―16日にロシア・ノボシビルスク市で開かれた建設展示会の取材に合わせ、現地の様子を視察した。3回にわたって紹介する。(経産産業部・武内紫衣奈)


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 古垣建設
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,540)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,417)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,307)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,097)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (889)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。