特産生かしたまちづくり 初当選の遠藤桂一平取町長に聞く

2020年07月14日 09時00分

遠藤桂一町長

アイヌ文化感じ取れる観光体系も

 任期満了に伴う6月の平取町長選で初当選を果たした遠藤桂一町長。町職員時代には企画課員やまちづくり課長、副町長として長年町民と関わりながら町政に取り組んできた。アイヌ文化やびらとりトマトといった、地域の豊かな個性を生かした今後のまちづくりについて聞いた。(苫小牧支社 小山 龍記者)

 ―町職員時代に取り組んできたことは。

 大学卒業後の1980年に入庁し、振り出しは教育委員会で社会教育活動を支援した。青年会、高齢者教室をはじめ、町と町民の関わりを強く感じ、面白さを感じた。

 その後は町づくりの根幹に関わる部署を多く経験し、10年に1度改定する町総合計画の策定には3度携わった。

 旧日高町、旧門別町と合併の話が出た際にも事務局として決断を迫られた。結果、単独町として残ることになったが、今でもあの判断は間違っていないと思うし、この体制だからこそできた町運営があったと感じる。

 ―主要な事業としてバイオマス産業都市構想が進められているが。

 エネルギーはもちろん、経済も地域内で循環させることに重点を置いている。今は木質チップでの発電機などの導入を進めている段階。欧州の設備を購入しているため費用も多くかかるが、それだけの価値があると考えている。

 2020年度内にも病院・公民館への電力供給が可能となる。避難所としての機能もあるので、停電しても稼働できるようになっている。今後はトマト栽培に必要な暖気をチップ燃焼の熱などで賄うなど、再生可能エネルギー活用のための整備を進めていきたい。

 しかし、町内のガス、灯油など既存のエネルギー事業者に打撃となるようなことがないよう、慎重に取り組みを進めるつもりだ。

 ―町の特色を活用した地域振興の展望は。

 特産のびらとりトマトは、50年ほどかけてブランド化した。今や年間1万2000㌧を安定供給できる一大産地になったが、観光面ではあまりトマト色が強くない。

 これでは、トマトでお客さんを呼び込んでも、不完全燃焼になりかねない。18年度に策定したトマトの里構想では、直売所や道の駅などの整備を検討している。満足感をもってもらい、もう一度行ってみたいなと思えるような町を目指す。

 最終的には、町全体をトマトテーマパークとして整備するような構想もある。徐々に実現に向けて動いていきたい。

 アイヌ文化も同じ。至る所に伝説が残っている。観光客自らが地域に残る文化を探し、感じ取ってもらうような観光体系を構築していきたい。白老にできた民族共生象徴空間(ウポポイ)に寄与できるような工芸家なども育てたいと思っている。

 その一方で、平取町独自のアイヌ文化の発信も続ける。オール北海道で、各地とネットワークをつくりながら、アイヌの奥深さを知ってもらうことが大切だ。

 遠藤桂一氏(えんどう・けいいち)1958年2月22日生まれ、平取町出身。北海学園大卒。80年に平取町役場に入庁した。まちづくり課長、副町長などを歴任し、6月から現職。趣味は映画鑑賞。

(北海道建設新聞2020年7月13日付1515面より)


関連キーワード: アイヌ文化 インタビュー 日高 農業

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