激化する若者獲得競争 地方企業が取るべき戦略は-

 少子高齢化と人口減少に悩まされる地方で、若年人材の獲得に企業が苦戦を強いられている。仕事があっても、働き手がいなければ事業は継続できない。では若者を雇用するにはどうしたら良いのか―。釧路市と市内経済団体などで構成する釧路市地域雇用創造協議会は6月、釧路センチュリーキャッスルホテルで3回にわたってセミナーを開き、若年層が企業を選ぶポイントや効果的な求人票の書き方、定着率が上がる賃金・評価制度を伝えた。各回の講演概要を紹介する。(釧路支社・武弓弘和)

激化する若者獲得競争 地方企業が取るべき戦略は-(中)仕事が想像できる求人票に

2022年06月28日 17時29分

積極的に企業からPRしエントリー促す

2日目(14日)会場参加6人、オンライン参加4人。
講師=前半・阿部大典氏(釧路公共職業安定所統括職業指導官)

求人票の魅力アップ方法を伝授する
阿部氏

■中途も売り手市場

 道内の総人口は570万人をピークに右肩下がり。リクルートワークス研究所の中途採用実態調査では、必要な人員を確保できた割合が低下し続けている。4月のハローワーク釧路管内有効求人倍率は、全道平均を上回る1・28倍。道内でも倍率が高い。

 求職者に選ばれるには、求人票の書き方に工夫が必要。詳しいことは面接の際に説明すればいい、求人票さえ出しておけば応募があると考えるのは間違い。

 事務職でも、業種や規模によって担当する業務はさまざま。曖昧すぎると求職者は自分に向いている仕事なのかイメージできず、面接を受けようという意欲が湧かない。

■魅力ある求人票とは

 まず採用ターゲットを絞って求職者の傾向を把握し、その層に届くような自社のアピール材料を並べる。求職者が抱く将来性や人間関係、労働条件、評価、キャリアアップなどの不安を解消しつつ、仕事内容の魅力をしっかり伝えること。

 介護職募集なら「介護職全般」とだけ書くより、「入居高齢者の入浴介助や排せつなどの援助だけでなく、旅行や外食、趣味活動など生活の楽しみもサポートする仕事」とした方が興味を引く。資格取得費用全額補助、未経験者も歓迎などと加えるとハードルも下がる。

 ただしうそは駄目。SNSで広まるとかえって悪いイメージが付く。そして求人が充足したらすぐ取り下げること。人が定着しない会社と思われる。

 


 

講師=後半・丸山秀人氏(室蘭工大特任准教授・キャリアサポートセンター担当)

丸山氏はオンラインで学生獲得の要諦を伝えた

■就職率は学歴に反比例

 学歴別就職率は実は高卒が最も高く、短大卒、大学の学部卒、修士、博士と進むにつれて低下する。採用は院生もターゲットにするべきだ。

 全国では毎年7万人以上の大学生が進路未定のまま卒業している。採用漏れは人材の大きな損失だ。彼らは宝石の原石。企業が個性に沿って磨けばダイヤにもルビーにもなる。

■採用と定着へ戦略を

 せっかく新卒を採用しても、道内では3年以内に34.6%、1年目に14.1%が辞めてしまう。受け入れ時の体制が重要になる。18歳人口はピークだった1992年の204万人から減少を続け、22年は92万人少ない112万人。24年に現在の89.8%まで減るとみられ、人材獲得競争はさらに激化していく。

 企業はどこも優秀な学生を採用したがる。残念ながら優秀な卒業生ばかりとは言えないが、大学に入るくらいだから素質はあるはず。採用戦略を抜本的に見直し、全ての学生をターゲットとするほか、新入社員研修制度やキャリアアップ制度の見直しや可視化をして、定着率を上げる必要がある。

 採用活動では学生のエントリーを待つのではなく大学のキャリア支援センターなどへ自ら獲得に行く、学生の自己PRで採否を決める前に企業からPRしてエントリーを促す―といった積極的な姿勢が求められる。


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