働き方改革に向かって 札幌市内3社の挑戦

 建設業は多くの企業で高齢化や担い手不足などの課題を抱え、就業者数に占める女性の割合も2割程度にとどまる。

 女性の活躍推進や働きやすい環境の整備が急務となる中、札幌市内では女性活躍に向けた働き方改革のサポート事業に建設業、関連業から計3社が参加。半年間にわたり自社の課題洗い出しや労働環境の改善に励んだ各社の姿を取材した。(建設・行政部 寺岡 美貴記者)

働き方改革に向かって 札幌市内3社の挑戦(下)

2020年04月15日 18時00分

建設業界を働きやすい職場に

 働き方改革のロールモデルづくり事業は、建設産業が抱える課題も浮き彫りにした。

 一つは長時間労働。公共工事の受注が主の場合、発注者が平準化を図っているものの、年度末に納期が集中する。また、地震や台風などの災害が発生すれば真っ先に駆け付け、24時間体制で対応に当たる。時期によって、労働時間が長くなることは避けられないという状況にある。

 キャリアコンサルタントの藤塚優子氏は、若者に入職してもらうためには業務や職場環境を改善し、魅力的な業界になる必要があるとして「人材の確保・定着と業務改善は実はリンクしている。両方やっていかなければならない」とポイントを指摘する。

 業務の改善には「今まで当たり前にやっていた業務に疑問を持ち、必要性、やり方を見直すことが大事」とし、「現状を把握し、業務にかかる時間などを数値化して、客観的に整理することが成功のこつ」とアドバイスする。

 その上で「他業種で労働環境の改善が進む中、建設業界全体で、若年求職者が働きたいと思えるブランディングや職場環境づくりをする必要がある」と話す。

 世代間で認識やコミュニケーションの在り方に違いがあるため、そのギャップを解消することも必要と続ける。

 そして「まず宣言することも大事」と強調。長時間労働の是正などは企業単独では難しい場合がある。そこで、取り組みを対外的に打ち出すことで、周囲の協力や理解が得られるようになるという。

 「建設業界は今、企業による差が激しい。取り組みを進めている企業には人が来るし、逆だと若い人は来なくなる。採用の面で見ても、やるメリットしかない」と藤塚氏。求人に反映すると、差別化をアピールできる利点もある。

 業界のイメージを変えるには、1社だけの取り組みでは難しい。しかしそれが、他社が興味を持つきっかけになるなど、波及効果も期待できる。変わろうという意識を共有することができれば、建設業界自体が働きやすい職場になる。3社の半年間にわたる取り組みは、その道しるべになるだろう。

3社の取り組みは事例集に掲載されている

(北海道建設新聞2020年4月10日付14面より)


働き方改革に向かって 札幌市内3社の挑戦 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

再開発マップ(札幌版)
  • 日本仮設
  • 北海道水替事業協同組合
  • 東宏

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

ダクタイル鋳鉄管データ不正 十勝管内にも影響...
2022年01月14日 (5,269)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想...
2021年01月13日 (3,362)
「アイアンショック」の足音 鋼材高値、リーマン前に...
2021年07月15日 (3,167)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (3,144)
冬季は除雪オペレーター 谷組が女性従業員3人を通年...
2022年01月16日 (2,608)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓new

おとなの養生訓
第223回は「感染第6波」。ワクチンの追加接種が広がるまで、対策徹底を。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第16回「吉祥文様で良い一年を」。縁起の良い模様に背中を押してもらうのはどうでしょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第15回「事業拡大と補助者制度」自分以外でもできる仕事を人に任せながら、事業拡大について考えています。