地下開発の楽しさ伝えたい 高い安全意識も不可欠

島田邦明氏
2021年6月に理事に就任。授業では比較的大型の掘削で使われる「ロータリー掘削」を教える。長年、現場に携わってきたが面白い仕事。地下を開発することの楽しさを1人でも多くに知ってもらいたい。
これまで大霧発電所(鹿児島)や滝上発電所(大分)、松川地熱発電所(岩手)、大沼地熱発電所(秋田)の掘削に携わった。道内では、森地熱発電所設置で蒸気を得るための生産井を整備した。
掘削は石油や地熱の採取、洋上風力をはじめエネルギー開発に欠かせないが、人手が不足しているのが喫緊の課題だ。これを踏まえ、白糠町内でバイオマス発電を手掛ける神戸物産(本社・兵庫)の創業者で、町おこしエネルギー(同)の社長である沼田昭二氏が開校を決断。教壇に立つことを誘っていただいた。
掘削で用いる高さ43mのタワーをはじめ、授業で使う掘削用機材は全て全国の企業やメーカーから無償で譲り受けた。地質のサンプル採取で使うコアバレルも、生徒が扱いやすいように企業が改造して提供してくれた。業界の期待が非常に大きく、気を引き締めなければならない。
テキストは、秋田大学や企業などの協力の下、オリジナルで製作。スピンドル掘削編、ロータリー掘削編の2冊を査読してもらいながら2年かけて作り上げた。
地面の下は、1cm先に何があるか分からない。大型の重機を扱うため、安全への意識を高く持つことが不可欠。技術の習得に加え、常に不安全な状態に危機感をもってもらいたい。