掘削が拓く未来 日本初の専門学校

 白糠町内の掘削技術専門学校が11日に開校する。掘削技術者は不足していて、日本初の担い手養成機関として全国から期待が寄せられる。専門家の指導を1年かけて受けられる充実したカリキュラムを用意。指導に当たる3人の講師に意気込みを語ってもらった。(釧路支社、3回連載します)

掘削が拓く未来 日本初の専門学校(上)島田邦明氏

2022年04月08日 09時00分

地下開発の楽しさ伝えたい 高い安全意識も不可欠

島田邦明氏

 2021年6月に理事に就任。授業では比較的大型の掘削で使われる「ロータリー掘削」を教える。長年、現場に携わってきたが面白い仕事。地下を開発することの楽しさを1人でも多くに知ってもらいたい。

 これまで大霧発電所(鹿児島)や滝上発電所(大分)、松川地熱発電所(岩手)、大沼地熱発電所(秋田)の掘削に携わった。道内では、森地熱発電所設置で蒸気を得るための生産井を整備した。

 掘削は石油や地熱の採取、洋上風力をはじめエネルギー開発に欠かせないが、人手が不足しているのが喫緊の課題だ。これを踏まえ、白糠町内でバイオマス発電を手掛ける神戸物産(本社・兵庫)の創業者で、町おこしエネルギー(同)の社長である沼田昭二氏が開校を決断。教壇に立つことを誘っていただいた。

 掘削で用いる高さ43mのタワーをはじめ、授業で使う掘削用機材は全て全国の企業やメーカーから無償で譲り受けた。地質のサンプル採取で使うコアバレルも、生徒が扱いやすいように企業が改造して提供してくれた。業界の期待が非常に大きく、気を引き締めなければならない。

 テキストは、秋田大学や企業などの協力の下、オリジナルで製作。スピンドル掘削編、ロータリー掘削編の2冊を査読してもらいながら2年かけて作り上げた。

 地面の下は、1cm先に何があるか分からない。大型の重機を扱うため、安全への意識を高く持つことが不可欠。技術の習得に加え、常に不安全な状態に危機感をもってもらいたい。

 島田邦明(しまだ・くにあき)東京都出身。1975年東海大海洋学部海洋資源学科卒業後、帝石削井工業(現・INPEXドリリング)に入社。国内の掘削現場を数多く経験した後、2009年に社長に就任し、18年から顧問に。開校日の4月11日が誕生日で、70歳を迎える。趣味は山登り。

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