「100回帳」がベクトル合わせ前進する原動力に 北創

2019年02月16日 15時00分

 札幌市北区屯田に本社を構える土木工事会社の北創。2006年の合併を境に一時は厳しい経営を強いられたが、現在は頭角を現した若手社員とベテラン社員が融合し、昨年、7年ぶりに札幌市下水道河川局の工事安全管理優秀業者に選ばれた。その原動力の一つが「100回帳」と呼ぶスタンプカード。日常の業務姿勢や社員間の思いやりを促す仕掛けとなっている。全員がベクトルを一つに合わせることで、前進し続ける。

 1966年に角川機械興業の名で創業。06年に丸杉建設工業から営業譲渡を受け、北創丸杉建設に社名変更。18年6月には北創へ商号を改め、新社屋とともに新たなスタートを切った。

 角川幸治氏が社長に就いたのは06年。合併によるデリケートな時期だったほか、翌年に顕在化した世界金融危機による建設不況もあって、就任後4―5年は苦しいかじ取りを強いられたという。

 そんな中、会社の流れを変えたいと門をたたいたのが都内の経営コンサル会社。会社づくりや社員づくりを勉強し直し、今も堅実に実践している。

 同社を語る上でキーワードになるのが「経営計画発表会」。毎年5月中旬に開催し、事務所スタッフと現場作業員の全員がビジネススーツを着て参加する。ポイントは融資を受ける3つの金融機関の支店長を招くこと。全社員による折り目正しい振る舞いを通じ、一層の成長を目指している会社であることを実感してもらう。

 その際、黒革の「経営計画書」なる手帳を配る。経営理念や長・短期の収支計画、お盆休みや正月休みも記した年間スケジュールなど、経営に関わる情報が丸わかりになるようまとめている。毎日の朝礼で復唱し、中身を徹底的にたたき込むようにしている。

 毎週水曜日は早朝勉強会、木曜日は工程会議を開催。勉強会では経営コンサルがまとめた会社論などを学び、工程会議では作業員やオペレーターもiPadを片手に、各工事の進ちょく状況などを確認する。

 社員全員が同じベクトルを向いて仕事に打ち込めるよう、100回帳という仕組みも実践している。スタンプが100個たまると5万円を支給する制度で、早朝勉強会に参加したら2個、日課の車両点検やヤード整理で100点満点だったら2個もらえるといった具合だ。

サンクスカードの仕組みを説明する角川社長

 スタンプ獲得で鍵を握るのは「サンクスカード」という制度。社員が日常の業務で得た感謝の気持ちをサンクスカードに込め、各人のウォールポケットに入れる。カード5枚でスタンプ2個。「いつも書類を手伝ってくれてありがとう」「ご飯をごちそうしてくれてありがとう」「歩道ロータリーの指導ありがとうございました」などなど。上司や部下、年齢や性別に関係なく、互いを認め合う職場環境が芽生えている。

 また「整理整頓は仕事の基本」とし、社内は事務職以外、決まった席のないフリーアドレスを採用。使い終わったパソコンや書類は各人の収納ボックスにしまい、机の上に物を置きっ放しにしないよう心掛けている。

 環境整備と銘打った朝の清掃活動は、輪番で担当する。「決められた時間に、決められた所を決められた人が行う。仕事のトレーニングになると考えている」と角川社長は話す。

 10年度以降は札幌市の優秀工事施工業者から縁遠くなり、工事成績は70点前後が常連となりつつあった。だが、15年入社の下田雅樹さんの採用をきっかけに社員の若返りが進み、現在は19―27歳の若手9人を抱えるようになった。先輩技術者とも気が合い、社内の雰囲気は良い。おのずと工事成績が良くなり、札幌市の格付けは土木A2等級に上昇した。

 角川社長は「今後も全員でベクトルを1つに合わせ、年率15%の成長を続けたい」と話している。


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