きのうは立冬だった。とはいえまだ11月の初め。例年なら本道も、そろそろ雪に備えようかと考え出すくらいのころだろう
▼そんな心の隙を突いた6日未明からのこの大雪である。雪かき道具は、冬靴は、車のタイヤはと、あたふたしたお宅も多いのではないか。「立冬や白骨都市の観覧車」和田悟朗。観覧車だけならその美しさに感嘆の声も上がろうが、街を厚く埋め尽くす重たい雪を前にしてはため息しか出ない。冬型の気圧配置が強まったところに北極由来の寒気が入り込んだとのこと。寒い部屋でクーラーを最大にしたようなものだろう。自然に向かって文句を言うわけにもいかぬが、迷惑な話である
▼6日までの累積降雪量は、多い所で朱鞠内60cm(平年値15cm)、ぬかびら源泉郷54cm(同0cm)、西興部56cm(同3cm)もあったのだとか。札幌中心部も6日午前で23cmの降雪を記録。1953年の統計開始以来、11月上旬に20cm以上降るのは初めてというから、やや愚痴が過ぎたとしてもやむを得まい。「ふんはりと雪の田畑の起伏かな」黒川能女。雪もただ観賞するだけなら風情もあるが、生活に支障を来したり事故を招いたりするのはいただけない。実際、今回の雪が原因で死亡交通事故も起きていると聞く
▼あすからは急速に発達する低気圧の影響で、再び大荒れの天気になるそうだ。きのうはちょうど10年前、佐呂間の工事事務所で9人が竜巻に遭い亡くなった痛ましい災害の日でもある。このところ本道は相次ぐ台風上陸など異常気象続き。できるだけ心の隙を突かれぬよう用心を。