「建設業を魅力ある産業に」というフレーズはことしも取材先で何度となく耳にした。聞く度に思うのは何をもって「魅力」なのかということだ。
7月4日。2日から道内に降った豪雨により各地でインフラ被害が発生した。午前10時にオホーツク管内で災害が発生していないか、ツイッターで情報収集を始めた。「オホーツク」「災害」と検索すると「いわね大橋が曲がった」という書き込みが数十件もあった。「橋が曲がるわけがない」と疑いながらも写真を見るとV字に折れ曲がっている。急いで網走建管に電話を入れると、橋が曲がった直後には通行止めを開始していた。
2018年の根室管内、とりわけ北方領土隣接地域は、戦後70年にわたる北方領土問題が大きく動きだした年だった。しかし外交は国家間で進めるものであり、当事者の根室地域は日ロ共同経済活動や領土問題の進展を見守る状態が続いた。
2年前の台風災害では全耕地面積の約1割が被災したが、帯広開建が河川掘削土を無償提供するなどして農業インフラが回復。「夜遅くまで設計した農業用排水路が無事に完成したのを見て感慨深かった」という地元技術者の声も聞いた。