道は20日、老朽化のため解体を計画する北海道百年記念塔[MAP↗]を報道機関に公開した。道の担当者は、13mの高さから落下した鉄製部材や、塔内外の壁から剥落したさび片が堆積している現状を見せ、安全性が低く維持管理にも多額の経費を要すると、解体の判断に至った経緯を説明した。翌21日には解体に反対する2つの団体にも視察してもらい、理解を求めた。
完成からまもなく50年を迎える北海道百年記念塔[MAP↗]に、解体の足音が近づいている。道は2020年度当初予算案に、解体の実施設計費として1284万円を計上。夏ごろまでには発注し、早ければ21年度に着工するスケジュールを描く。一方、建築家有志で構成する「北海道百年記念塔の未来を考える会」は塔の建築物としての価値を重視し、取り壊しに固執する道への反発を強めている。先住民に配慮した塔名への変更や内部視察を要請し、解体方針の見直しを求める考えだ。
建築設計者らで構成する北海道百年記念塔の未来を考える会は2日、記念塔の解体に反対を表明し、鈴木直道知事宛てに公開質問状を提出した。専門的な見地から鉄骨の損傷は限定的で、改修費を削減できる余地があるとし、解体方針の再検証を提案。解体を進めようとする技術的な根拠の開示などを求めた。
道環境生活部は27日、北海道百年記念塔や北海道博物館など百年記念施設の再生構想を策定したと発表した。老朽化が著しい百年記念塔は、解体を正式決定。跡地には、新たなモニュメントを設置する方針で、今後数カ年をかけて整備を進める。