就学前の子どもがお母さんやお姉ちゃん、お兄ちゃんに連れられ、小学校に通う練習をしている。ことしも道を歩いていてそんな風景をよく見掛ける時期になった。本道の多くの小学校で、もうすぐ入学式が行われる
▼「入学のカバン飾りて子の寝言」角下美智子。子どもは早く学校へ行きたくてたまらない。親の心配などどこ吹く風。ランドセルに勉強道具を詰めたり出したりしながら、その日を楽しみにしている。勉強についていけるか、友達はできるか、いじめられないか―。親は気掛かりがいろいろあろう。ただ入学してしばらくの間は交通事故が一番でないか。無事家に帰ってくるまで毎日気が気でないに違いない。実際のところ、それは取り越し苦労でもないのである
▼警察庁が先週、「歩行中児童の交通事故の特徴」を公表した。それによると2018年の小1の歩行中死者・重傷者数(全国)は129人で、小6の約3・6倍に上ったという。月別には14―18年合計で5月と10月が飛び抜けて多い。登下校に慣れてきたころと、日暮れが早く車から発見しづらくなる秋が特に危ないようだ。飛び出し、禁止場所での横断、信号無視といった法令違反が上の学年と比べ目立つのも小1の特徴である
▼「ゆらゆらと吾子歩きをり新入生」下田昭。そんな姿を見ていると、親として不安が募るのも無理からぬところ。当面は5月に向け、学校の行き帰りにも危険があふれていることをわが子に教えたい。加えて大切なのは地域。大げさでなくていい。目の前の子どもたちだけでもしっかりと見守りたい。