しばれる日が続く。札幌管区気象台の週間予報によると、今週の本道は冬型の気圧配置と低気圧の影響で平年より気温の低い日が多くなる見込みという。暦の上ではきょうが立春だが、本道の冬との戦いはこれからが本番である
▼「着ぶくれて世界を敵に回しけり」沼田美山。体の温かさを保つには、寒気の侵入をできるだけ防がなければならない。がっつり着込んで外の世界と隔絶するくらいの気構えは必要だろう。ただ、寒いのも悪いことばかりでない。寒さが厳しいからこそ感じられる喜びもある。温かい食べ物もその一つ。演歌歌手の千昌夫さんも名曲『味噌汁の詩』(中山大三郎作詞作曲)の冒頭でこう語っていた。「しばれるねえ。冬は寒いから味噌汁がうまいんだよね」
▼この季節に戸外で飲む熱々のお茶やコーヒーもまた格別である。あと忘れてならないのは、家族や気の置けない仲間と囲む鍋だろう。近頃は野菜も安いようだから、心も体も、ついでに懐まで温めてくれる優れ料理というわけだ。米国中西部がこのところ記録的な寒波に襲われている。ほぼ同じ環境にある道産子としては身につまされる思いだ。われわれが安心していられるのは官民が連携して雪への警戒を強め、機動的な除排雪体制を整えているおかげ。昼夜問わず作業に当たっている方々にはあらためて感謝するばかりである
▼「大鍋を囲んでみたき夜がある」五島治人。疲れたときには鍋を囲んで英気を養うのもいい。まだしばらくは冬将軍の強力な攻めが続く。どうか本当の春が来るまで負けないで。健康に、安全に。