北海道は広大な大地と周囲の豊穣(ほうじょう)な海洋の恩恵で日本最大の食糧生産地域であり、小麦は日本の66%、大豆は35%、ソバが42%、ジャガイモは78%を生産している。畜産も金額で20%、水産も22%を生産している。これまで唯一の弱点であったのが日本の食料の原点のコメであった。
世界最初の国立公園は1872年にアメリカで指定されたイエローストーン国立公園であるが、日本は60年近く出遅れ、1931年に自然公園法が施行され、1934年に最初の8カ所が指定された。そのうち大雪山国立公園と阿寒国立公園(当時)の2カ所が北海道にある。
小樽港の北防波堤は北海道遺産に登録されている。この土木構造物は完成してから今年で110年という時間が経過しているが、現役として役立っている。冬季には強烈な北風と波浪に直面し、しかも海水によるコンクリートの劣化が進行するにもかかわらず役目を維持している驚異の存在である。
ユーラシア大陸の東端に位置する島国日本は、遣隋使、遣唐使の時代から海外と活発に交流する国家であった。しかし、18世紀になると、鎖国していた日本にロシアの軍艦などが到来しはじめ、蝦夷地を管理していた松前藩は1759年に交易拠点の国後場所を設定、防御を強化する。
これまで何度かカヌーで天塩川下りをしたが、音威子府の筬島付近で河道がほぼ直角に方向転換する位置に「北海道命名之地」と墨書された丸太が屹立している。ここが北海道という地名が誕生する契機となった場所で、北海道命名150年の現在では有名な逸話であるが、経緯を簡単に紹介する。