年間60万人の観光客が訪れ、にぎわいを見せる札幌市中央区の道庁赤れんが庁舎。現庁舎が完成するまで80年にわたって本道の中枢拠点として役割を果たしてきたが、築後130年が経過し、老朽化と耐震性の不足が問題となっている。道は、開道150年の歴史を守り、後世に伝えるため、リニューアルに踏み切る。
道都・札幌の交通や物流を支える重要路線として発展してきた「創成川通」。札幌と全道をつなぐ高速道路を、より早く結び付ける整備の具体化に動きだした。北海道新幹線延伸で増加する交流人口を全道に波及させ、集積する都市機能の広域利用を促進するため、早急な都心のアクセス強化が求められている。
北海道の発展を炭鉱で支えた空知。多くの炭鉱マンが生活していた夕張市で、その歴史を伝える石炭博物館が4月28日にリニューアルオープンした。本館や模擬坑道の老朽化を改善するだけではなく、当時の生活が伝わるよう展示物も見直した。ことしは北海道命名150年に加え、1888(明治21)年に夕張市で石炭の大露頭が発見されてから130年の節目でもある。夕張の歴史を残す社会教育施設として生まれ変わり、市内外から人が集い、関わり、学ぶ拠点となるよう期待が寄せられている。
日本最北の重要港湾の稚内港はことし開港から70年を迎えた。1957(昭和32)年の重要港湾指定から、道北地域の物資流通拠点や北方漁業基地、利尻・礼文の離島に加え、ロシアサハリン州への連絡港として重要な役割を担っている。近年は大型船の受け入れ体制強化に向けた整備に取り組んでおり、今後も宗谷管内の発展を支える港湾として期待が高まる。
異国情緒あふれる街並みで、観光名所として脚光を浴びる函館市西部地区だが、その陰で居住環境に変化が出ている。市は居住と観光が融合した良質な住宅街へと再整備することを決め、西部12町約400haを対象とし、2018年度末までに基本方針を策定する。北海道新幹線が札幌延伸する30年度を見据え、函館発祥の地で定住人口の回復や交流人口を拡大させるプロジェクトが始動した。