おとなの養生訓

おとなの養生訓 第91回「加齢臭」 たばこ、深酒で臭い強く

2016年05月27日 11時35分

 中年以降の男性に特有の体臭があることは、昔から指摘されていました。そして、それは皮膚表面に分泌される皮脂や汗に含まれる特有の成分に起因することが分かりました。そこで、この体臭のことを加齢臭と名付けたのです。その臭いは、青臭い脂の臭いで、ろうそく、チーズ、古本の臭いに例えられています。

 こうして臭いのたとえを並べてみると、さほど問題にはならないような感じも受けるのですが、昨今は、香料、化粧品、ボディ洗浄剤から洗濯用洗剤にいたるまで、加齢臭対策と銘打った商品が続々出てきて、やはり、一般的には加齢臭はない方が良いものととらえられているようです。

 加齢臭を生じる物質をノネナールといいます。人の体内に存在する脂質の一種が皮膚上の雑菌により分解されて生じるものです。この分解が中年以降に盛んになると考えられています。実は、その後の研究で、閉経後の女性でもノネナールが増加することが明らかになりました。おじさんだけの話ではなかったのです。

 中年になっても加齢臭がほとんどない人もたくさんいるので、加齢臭は少なくできるものであると理解されています。加齢臭が強くなる原因として挙げられているのは、シャワーで流すのみの体洗い、たばこ、二日酔い、などです。とくに石鹸を使わないのはだめで、やはり、頭や体をよく洗い流して、ノネナールが生じる隙を与えないのが得策のようです。

 とりわけ、愛煙家において加齢臭が強くなるという指摘があります。しかし、たばこの成分とノネナール発生の間の因果関係は全く分かっておりません。愛煙家は「たばこ臭い」に決まっています。たばこを全く吸わない人には、すぐに分かるのがたばこの臭いなのです。なので、たばこの臭いと加齢臭が一緒になると、他の人により不快な感じを与える危険性はあります。

 一方、二日酔いの原因であるアセトアルデヒドは、ノネナールの原料になりうるということも、分かっています。したがって、深酒は加齢臭を強くする危険性があるのです。

 中年以降に飲酒喫煙をしているのは、当然ながら男性の方が女性より圧倒的に多いわけで、加齢臭といえばおじさんという誤解が生じるのは、無理からぬところなのかもしれません。加齢臭が気になるあなた、とりあえず禁煙してみてはどうでしょうか。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

株式会社クリエイター
  • web企画
  • 東宏
  • オノデラ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

自動運転車と鉄道を併用 第二青函トンネルJAPIC...
2020年11月05日 (8.3k)
ニトリが石狩湾新港に物流施設新設...
2020年11月06日 (1.8k)
工事が順調に進展 仮称・苫小牧中央インター線...
2020年06月16日 (1.6k)
20年度内開通へ急ピッチ 函館新外環状道路空港道路...
2020年11月21日 (1.5k)
霧立峠トンネル掘削進む...
2020年11月10日 (1.4k)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 空き家で拓く未来

空き家で拓く未来
道内の空き家を巡る状況が変化している。少子高齢化で今後も増える空き家をどう扱うか。未来への手掛かりを探った。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第2回「赤は目立たない色?」図面や変更指示書を作成する際は、色だけに頼らない工夫や電話での確認が大事です。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第2回「一万超の許認可が主戦場」前職の経験などを生かしそれぞれの行政書士が得意分野を持って業務に当たっています。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第195回は「オフィスでの感染対策」。マウスやキーボードの消毒や、室内の換気をこまめに行いましょう。