4万年前、支笏湖を形成した火山活動での火砕流が固まった岩石である札幌軟石。加工しやすく、防火性に優れた特性から、開拓使が廉価な不燃建材として広く使用した。明治中期から大正時代にかけて札幌、小樽などで倉庫や建築物に盛んに使われ、身近なところでは札幌市資料館の外壁に採用されている。
明治時代、道内には樺戸を皮切りに空知と釧路、網走、十勝に集治監が建てられた。政府が士族蜂起による懲役囚の急増に苦慮していたためだ。囚人は鉱山の開発や道路の開削、橋梁工事などの外役に従事し、道路や鉄道をはじめ、未開拓地の多かった北海道の開拓に大きく関わった。
北海道の近代開拓において、重要なピースとなった石炭、鉄鋼、港湾、そしてそれらをつなぐ鉄道。小樽市と幌内炭鉱を結んだ手宮線の開通で、経済都市として発展した小樽市内には、多くの鉄道遺産が生活の一部として今も息づく。
2018年度青年優秀施工者土地・建設産業局長顕彰(建設ジュニアマスター)に選ばれた。賞状を受けるような経験は今回が初めて。「まだあまり実感はないけど、うれしい。こつこつやってきたことが評価されたのかな」と笑顔を見せる。