生涯未婚率が年々上昇しているそうだ。国立社会保障・人口問題研究所などの推計によると、2015年に男性22.7%、女性13.6%だったのが30年には男29.5%、女22.5%に達するという
▼多様な生活を尊重する観点から結婚しないことへの社会的圧力が減ったことや、お見合いのような慣習的枠組みが敬遠される傾向にあることが影響しているらしい。ただ結婚できない男女には共通する特徴もあるようだ。それはお金への過剰な関心、強い自己主張、相手への非寛容な態度だという。ウェブでいわゆる「婚活」サイトを幾つか見たが、典型例として挙げられていた。つまりは理想と現実の差が大き過ぎるのだろう。お互い結婚はしたいが、妥協はしたくないのである
▼この話、個人だけではなく組織にも通じるところがありそうだ。立憲民主党と国民民主党の合流である。こちらも昨年は幸せな結婚を夢見て機運がかなり高まったものの、付き合ううち理想と現実の乖離(かいり)に気付いたとみえる。立憲としては民進党から引き継いだ国民の潤沢な政治資金がほしい。国民は主導権を持ったまま力を増したい。双方とも「わが方の政策こそ正しい」と考えているため妥協するつもりもない。これでうまくいく方が不思議である
▼立憲の枝野幸男、国民の玉木雄一郎両代表が10日、直接会談したが、物別れに終わったそうだ。もともと安倍政権を倒したいがために形ばかりの結婚を目指し、あわよくば金も力もともくろんだのが実際のところでないか。まあ政略結婚とは得てしてそういうものだが。