ことしもユーキャンの「新語・流行語大賞」に30語がノミネートされた。なぜ選ばれたか分からない言葉も毎回あり、選考の基準に疑問も感じるが、まあそこは一企業のイベントである。難しく考える必要もなかろう。自分の情報感度を確かめる一つの目安にはなる
▼30語のうち3分の2くらい聞いたことがあればまず十分でないか。例えばノミネートナンバー1「あな番」を知らなくても日々の暮らしに支障はない。さて、と中身を見るとやはりというべきか。「4年に一度じゃない、一生に一度だ。」「ONE TEAM(ワンチーム)」などラグビー・ワールドカップ日本大会に関するものだけで五つもある。あの盛り上がりを思えば、むしろよく五つに絞り込んだものだ
▼スポーツがらみの語は他にも幾つかあった。イチローが引退会見で語った「後悔などあろうはずがありません」や、女子ゴルフの渋野日向子プロの愛称「スマイリングシンデレラ/しぶこ」など。スポーツ界が華やかだった証拠だろう。一方で政治の影は薄かった。おととしが12語、去年は3語あったが、ことしは小泉進次郎衆院議員をやゆする「ポエム/セクシー発言」と、あざとい選挙戦術を使った新党の「れいわ新選組/れいわ旋風」の2語のみ。参議院選挙や統一地方選挙もあったのだが…
▼去年は五つあった北海道関係の言葉は今回一つもなかった。五輪マラソンの札幌変更を受けた小池百合子東京都知事の放言「涼しい所というなら北方領土でやったらどうか」も長く語り継ぐべきと思ったのだが、リストにはなかった。