国と国との合意を韓国が事実上一方的にほごにしたことで政治問題が再燃している日韓だが、一部の文化交流は変わらず盛んなようだ。それは韓国の音楽「K―POP」の日本での流行である
▼最近は泣き顔の絵文字を振り付けに使った曲「TT」がヒットした女性グループ「TWICE(トゥワイス)」が人気だそうでテレビで紹介される機会も多い。子や孫がファンなので知っている、という人も多いのでないか。ご存じかもしれないが、K―POPの大きな特徴は技術水準の高い多人数構成のダンスにある。メンバーを決めてから共同生活をしながら何年も練習を積み、技を磨いた上でデビューするそうだ。チームワークの大切さが分かっているお国柄なのに違いない
▼にもかかわらずである。平昌冬季五輪開幕まで1カ月と迫ったこの時期に、アイスホッケー女子を北朝鮮との合同チームにすることを政治主導で決めたのだという。しかも選手やコーチら競技者側には事前の相談など一切なかったのだとか。南北融和の機運を盛り上げたい文在寅政権と開催期間中の安全を確保したい国際オリンピック委員会の思惑が一致したらしい。気の毒なのは韓国の選手たちである。五輪で勝つためこの4年間、厳しい練習に耐え必死にチームワークの向上を図ってきたろうに
▼揚げ句に李洛淵首相は合同がなぜ悪いとの趣旨で「韓国はメダル圏外」と発言する始末。どうやら文氏の一方的な政治決断に悩まされているのは日本だけではないようだ。なるほど日本でも韓国でも泣き顔の「TT」がはやるわけである。