北海道コンサドーレ札幌がJ1残留を果たした。残留は2001年以来実に16年ぶり。週末、雪に覆われた北の大地だが、一足早く来春のJ1での活躍を夢見ることができる幸せは格別だ
▼昇降格を繰り返す「エレベータークラブ」―。札幌はその代表的なクラブだった。開幕前も多くの専門家が降格候補に挙げた。しかし降格を経験したからこそ、J1で戦い続けることへのあこがれは、どのクラブよりも強かった。
残留を決めた清水戦は、約2000人のサポーターが現地に駆け付けたという。道内でもパブリックビューイングや自宅のテレビの前で多くの人が声援を送り続けた。一人一人の熱い思いが歓喜を呼び寄せた
▼残留までの道のりは険しかった。5月14日のガンバ大阪戦以降に6連敗し一時降格圏にも沈んだ。転機は7月29日の浦和戦だろう。優勝候補を迎えた大一番は、3万人を超えるサポーターの後押しを受けて2―0で完勝。都倉とこの日デビューしたジェイの活躍に「残留」が見え始めた。もう一つの転機は10月21日のFC東京戦だ。アウェーでは未勝利。降格圏の広島との勝ち点差はわずかに4。勝利だけが求められる試合で結果を出した。雨の中、3000人以上のサポーターの声援が選手を鼓舞した
▼全力で応援するサポーター、充実した戦力、的確な補強を実施した運営会社。残留を達成した要因は一つではない。来季も厳しい戦いが続く。胃が痛くなるような試合も多いだろう。しかし、北海道の名を背負い、走り続ける選手をJ1の舞台で応援し続けたい。この先もずっと。