林業大学誘致を町ぐるみで
市の面積の9割を森林が占める芦別市。土地環境を生かした基幹産業の一つでもある林業を絶やさないよう、近年は林業大学校の誘致にも力を入れている。
―芦別の特徴と課題は。
市の面積は865平方㌔で、9割を森林が占めている。芦別産の木材をチップに加工し燃料として使用する木質バイオマスボイラを芦別温泉スターライトホテルに導入しているが、ゆくゆくは公共施設にも設置したいと思っている。また、自然が多く空気が澄んでいるせいか、星がきれいに見えることも自慢だ。
ただ、人口減少や少子高齢化は着実に進んでいる。炭鉱があった1958年の約7万5000人が人口のピーク。90年に初めて0―14歳の年少人口の割合を高齢者が上回ったが、今では高齢者が44.8%で年少人口はわずか7%となっている。社会減についても15―24歳が進学・就職のため、札幌や滝川、旭川、富良野に出て行ってしまうのが現状だ。
―解決策として何を考えているか。
地域経済を循環させるための交流人口拡大や移住・定住の促進、市外への転出抑制などさまざまな解決策がある。中でも交流人口拡大については、道の駅を中心にした観光産業やスポーツ合宿の誘致を軸に進めていく考えで、旭川空港につながる国道452号の早期全面開通も要望している。
また、同じ国道沿いにある三段滝公園には夏や紅葉の時期になると多くの人が訪れているが、より休憩しやすい環境を国、道、市で整え、道の駅ならぬ滝の駅という施設にしても良いのではと考えている。
―林業大学校の誘致については。
林業の担い手を育成し、基幹産業を守るためにも専門機関は必要。学校があることで若い世代の雇用創出や地元就職にもつながる。森林が豊富という地の利を生かし、官民一体で構成している林業学校設立・誘致期成会だけではなく町ぐるみで取り組みたい。
―今後の展望は。
市民が安心して芦別に住み続けたいと思うことが重要だ。人口減少が著しいが、その人口に見合ったコンパクトなまちづくりをしなければならない。こうした課題に一つ一つ真っ正面から向き合い市民目線で施策を進めていく。
荻原 貢(おぎはら・みつぐ)芦別市出身、1951年8月30日生まれ。初当選は2017年で現在1期目。2017年9月8日付掲載