出産・子育て、住宅取得を支援
ブランド米と北海道日本ハムファイターズとのコラボレーションで、道内外に町の魅力を発信する雨竜町。子育てや定住促進でも手厚いサポートを展開し、人口増に取り組んでいる。
―地域の特徴は。
町の主産業は農業。特に稲作では、有機減農薬栽培で生産される「うりゅう米」の販売・普及に力を入れている。
特筆すべきは、町職員の地道な活動が実を結び、北海道日本ハムファイターズと深いつながりを持っていること。道内各地で開催されているジュニアキャンプも雨竜町が先んじて実施。北海道179市町村応援大使も開始時から関わっている。日ハムが主催の年間72試合では活躍した選手にうりゅう米をプレゼントし、ふるさと納税返礼品でも提供するなど、農産物をブランド化し町のPRを図っている。
―抱える課題は何か。
若い世代の人口流出が進んでいる。町内に高校がないため、高校生は町外へ通学しなければならない。大学進学もおのずと町外になり、雇用を担う企業も少ないため、若い人たちはどうしても他の土地で就職先を求めてしまう。家業が農家の若者も「一度は外に出てから」と、地元を離れることが多い。
―対応策は。
出産・子育て、若者定住・住宅取得を全力で支援している。私の公約で出産祝い金事業の金額を大幅に見直し、2015年度から第1子5万円、第2子10万円、第3子以上は100万円を補助。保育料は第1子は半額、第2子は3分の2を助成、第3子以降は無料にした。また、結婚定住祝い金で10万円、持ち家奨励金として住宅新築工事に最大250万円を支給している。すぐに効果は出ないが、長期的視野で人口増を図りたい。
―今後のまちづくりの展望を。
国営緊急農地再編雨竜暑寒地区が15年度に着工となったが、大規模な農業基盤整備で基幹産業の稲作振興を図るとともに、農産物では特産品である暑寒メロンの需要増も期待している。
町民の生活安定、町内の産業振興を目的としたプレミアム商品券の発行にも取り組んでいる。ことしで発行16年目を迎え、16年度からは25%のプレミアムを付けた。
新米町長として、こうした町民生活の向上、産業発展に向けた事業を積極的に展開したい。
西野 尚志(にしの・なおし)雨竜町出身、1960年8月7日生まれ。初当選は2015年で、現在1期目。2017年7月21日付掲載