外食で昼食をとるビジネスマンはかなりの数に上るでしょう。昼食のメニューを選ぶのは、大きな楽しみです。店先に掲げられたメニューをにらんで、あれこれ思案顔の人がたくさん見られます。しかし、一方では時間が限られた昼休みに、食事はサッサと済ませたいと考えている人も多いものです。そこで、「昼はこれ」と決めて、何年間も毎日同じメニューという人もいます。
ただ、朝食は簡単に済ます、夜はお付き合いや宴会が多い、という人が多い昨今です。昼食は重要な栄養補給のチャンスとなるわけで、メニュー選びも工夫が必要だと考えられます。もちろん、栄養のバランスがとりやすい定食類がお勧めということですが、昼食の定番メニューとして麺類、丼物なども楽しみたいところです。
そこで、気になるのはカロリーです。麺類や丼物は炭水化物が多く含まれていて、太るのではないか、と漠然と考えられます。一方、カロリーを補給しないと午後の仕事が持たない、と考える人もいるでしょう。実際のところ、麺類や丼物のカロリーはどうなのでしょうか。
そばのカロリーが少ないのは有名です。大体500㌔㌍前後です。これは焼き魚定食と同じぐらいです。でも、そばは一品ものですから栄養バランスはよくないですね。実は、普通のあっさり系ラーメンも一杯500㌔㌍程度なのです。もちろん、脂をたくさん使ったこってり系は1000㌔㌍を超えますが、あっさり系のラーメンは意外とカロリーが低いのです。これに比べて、パスタは意外とカロリーが多く、ナポリタンでも600㌔㌍を超えています。
丼物はご飯の量が多くなりがちで、総じてカロリーが高くなります。天丼で800㌔㌍超え、かつ丼はなんと1200㌔㌍、丼ではありませんが、カレーライスで800㌔㌍、カツカレーはやはり1200㌔㌍程度です。
もしカロリーが気になるのなら、昼食には基本的に定食を選び、たまにあっさり系のラーメンで気分を変えるのがいいのではないでしょうか。ラーメンは具に野菜が多いので、栄養バランスも悪くありません。そして、午後に体力を使う仕事がある日は丼物を選ぶという考え方はどうでしょうか。それにしても、楽しい昼食選びです。
(札医大医学部教授・當瀬規嗣)