おとなの養生訓

おとなの養生訓 第15回「昼下がりの眠気」 動物に定められた宿命

2013年02月12日 16時39分

 昼休みを終えて、午後の仕事のスタート。心機一転、どんどん仕事がこなせるはずと、誰もが思っています。ところが、午後2時に近づく頃から、しだいに頭の中がぼんやりとして、集中力がなくなります。うっかりするとウトウトとして、はっと気がつく。もし、折り悪く会議中だったら、間違いなく夢の中へ…。

 昼下がりの眠気は誰でも経験するものです。もちろん、前日の睡眠不足が大きな原因であることは間違いないのですが、充分睡眠を取っているはずの休日の昼下がりに、やっぱりうたた寝をしてしまうことも多いのです。

 昼食を食べ過ぎたから眠くなると信じている人もいますが、食事の量を減らしてもあまり効果はありません。実は、人の睡眠のリズムには2種類あって、夜に眠気が来る通常のパターンの他に、午後2~3時頃に脳機能が一時的に下がって、眠くなるしくみが備わっているのです。

 例えば、動物園へ行ってみてください、昼間の動物たちはヒマ(?)さえあれば、昼寝しています。動き回るのはえさを食べるときや、周りを警戒しているときなど、理由があるときです。用がないのに起きているのはエネルギーの無駄というわけです。昼に仕事をするようになった人間にもこのしくみは残っていると考えられるのです。

 昼下がりの眠気は宿命なのです。それを経験的に知っているスペインの人々は、シエスタと称して昼休みを長くとってお昼寝をして、スッキリとした夕方にはたらくようにしているのです。シエスタは暑さをさける意味だけではないのです。

 昼の眠気は気合いが足りないからではないと分かったからには、対処法が必要ですね。よく、工事現場の皆さんが昼食をとったあとすぐに仮眠に入っているのを見かけますが、非常に理にかなった対処法といえます。眠いままの工事では危険この上ありませんから。

 この方法は、デスクワークの方々にも採用していただきたいと思います。昼休みの終わりにデスクの前で10分か15分ぐらい仮眠をとることがおすすめです。これで眠気は間違いなく解消します。本当は、仕事中に眠気に襲われたら、すぐに10分ぐらいの仮眠をした方が、それ以後の集中力が断然違うので、結局効率的なのです。仕事中の仮眠を許可する社長さん、いませんかね?

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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