おとなの養生訓

おとなの養生訓 第47回「塩分」 薄味が味覚と健康守る

2014年06月13日 15時11分

 人の体の60%は水分でできています。この水分は真水ではなく、電解質が溶け込んでいます。つまり、人の体を作るには電解質が必要不可欠であることが分かります。

 とりわけ、体の中の主要な水分の一つである血液にはナトリウムと塩素という2種類の電解質が多く含まれています。塩素とナトリウムがくっついて結晶になったものが塩化ナトリウムつまり食塩なのですから、人の体にとって塩分はとても大事なものであることが分かります。

 事実、塩分不足になると、頭痛、めまい、脱力などの症状があらわれ、さらには昏睡に陥り生命の危険にさらされます。塩分はおしっこや汗などに入って、常に失われるので、食事などにより、常に補給されなければなりません。これから夏に向かって、暑さで汗をたくさんかくことになるので、塩分補給は必要です。

 かといって、たくさん取ればいいというものではないことは、皆さんもご存じだと思います。塩分を過剰に摂取すると、血液などの塩分濃度が高くなるので、これを元に戻すために、水分がほしくなります。つまりのどが渇きます。そして水を飲み、おしっこの量が減り、血液の量が増えることになります。

 血液の量が増えると血管を押し広げ、血圧が上がります。高血圧症になるのです。また過剰な塩分を処理しようとして腎臓に負担がかかるので、腎臓病になる恐れもあります。

 また、高血圧や血液量の増加が心臓に負担をかけて心不全や不整脈を引き起こすことも指摘されています。さらに高血圧は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中の危険性も高まります。やはり塩分の取りすぎは避けるべきなのです。

 塩分の取りすぎは、病気だけでなく、味覚に大きな影響を及ぼすことが分かっています。人は塩味を感じるとき、その基準は体の水分中の塩分量であるといわれるからです。塩分を取りすぎると、体の塩分量が増えて、それが基準になって塩味を感じますから、食べ物により多くの塩分が含まれていないと塩味を感じづらくなり、おいしく感じません。

 結局、より濃い味付けでなければ満足できなくなり、結果的にさらに多くの塩分を取ってしまうことになります。濃い味付けは、食べ物の本来のうまさを消してしまうことが多く、もったいない話だと思います。料理を楽しむコツは、薄味になれることです。これが健康にもつながるのですから、一石二鳥でしょう!

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

web企画
  • オノデラ
  • 東宏
  • 日本仮設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

2019年1―2月にオープン ベガスベガス釧路店新築
2018年05月04日 (5,027)
JR苗穂駅新駅舎が開業 橋上化、再開発動きだす
2018年11月17日 (4,224)
江別蔦屋書店オープン 飲食など17テナントが出店
2018年11月21日 (2,532)
札幌駅北口8・1再開発特定代行者 大成・伊藤JVを選定
2018年11月14日 (2,494)
富良野道路が開通 北の峰トンネルなど難工事克服
2018年11月26日 (2,377)

連載・特集

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第148回は「血が下がる」。アルコールは血圧を急に下げる原因にもなります。盛り場でもお気をつけを。

連載 北海道遺産

北海道遺産
開拓や経済・生活の発展に貢献した6件を紹介します。

連載 エンジン01in釧路 市民向け講座から

北海道150年を支えた偉人
釧路公立大で開かれた市民向け講座を紹介します。

連載 道総研 研究・活動報告2018

明日を支える
昨年に引き続き、北海道立総合研究機構建築研究本部の取り組みや課題を紹介します。