おとなの養生訓

おとなの養生訓 第59回「肥満と脂肪」 ポッコリおなか要注意

2014年12月12日 15時29分

 肥満は現代人を悩ませる問題の一つです。肥満の程度を示す指標としてBMI(体格指数)が使われます。これは、体重(kg)を身長(m)で2回割ることで算出されます。

 BMIが22なら標準体格ということになり、25以上を肥満、30以上を高度肥満と分類します。厚生労働省の調査によれば、日本人の約3割の人は25以上であることが分かっていて、今後も増える傾向があります。

 体重が増える原因は、ご存じのように体に脂肪が増えることです。それならば、脂肪がたくさん含まれている食べ物を食べなければ、脂肪はつかないのでしょうか?脂肪がたくさん含まれているのは、肉類、魚卵、青魚、バターなどの乳製品、揚げ物、ナッツ類などです。

 しかし、これらの食べ物を控えても、体重が減らないと悩んでいる人も多いものです。脂肪を控えても、糖分を含み、脂肪がほとんど含まれないお米、小麦粉、お蕎麦などをたくさん食べると、やっぱり体に脂肪がつくからです。

 人の体では、食べ物が持つエネルギーを利用して細胞で代謝を行い、生命を維持しています。これに必要なエネルギー量を所要エネルギー量といいます。食べ物として摂取されるエネルギー量と所要エネルギー量が同じなら、体には変化は起こりません。

 しかし、摂取されるエネルギー量が所要エネルギー量を超えると、余ったエネルギーは糖分であっても、タンパク質であっても、すべて脂肪として蓄えられます。

 なぜなら、脂肪はもともと水に浮かぶくらい軽いもので、同じエネルギーを物質として貯蔵するには糖質などより脂肪の方が有利なのです。そこで、ご飯を食べても、うどんを食べても、余った分は脂肪になるのです。

 でも、どんなに有利であっても、脂肪がたくさんたまると、結局体重が増えます。この場合、一番先に脂肪がたまるのがおなか周りです。BMIが正常範囲の人で、おなかがポッコリしてきたら要注意というわけです。

 体重を減らす決め手は、食べ物に含まれる総エネルギー量を、つまり「カロリー」を減らすことです。なので、脂肪の多い食品を極端に減らす必要はありません。脂肪の多い食品だけ減らそうとすると、食事が単調になり、早々に嫌気がさして、減量に失敗することになるからです。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 日本仮設
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (3,057)
BP新駅で大規模開発 高層MS、商業施設、ホテルな...
2022年06月29日 (2,604)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (2,206)
おとなの養生訓 第126回「なぜ吐くのか」 空腹時...
2017年12月22日 (1,744)
おとなの養生訓 第44回「肥満と発汗」 皮下脂肪が...
2014年04月25日 (1,400)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 激化する若者獲得競争
地方企業が取るべき
戦略は-new

激化する若者獲得競争 地方企業が取るべき戦略は-
若者獲得に向けた工夫とは。釧路市内の団体が開いたセミナーから、各回の講演概要を紹介する。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第234回「アセトアルデヒド」。二日酔いの原因物質で、顔の赤みや動悸、胃腸への刺激を引き起こします。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第21回「住宅の内装/色と素材感」。質感や柄から受ける印象も大切にしてコーディネートを進めたいものです。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第20回「能力向上へ適切な指導」正しいゴールの設定やフィードバック、成功体験が大切です。