おとなの養生訓

おとなの養生訓 第63回「糖質」 夕食のごはんを軽めに

2015年02月13日 15時45分

 糖質というのは、デンプンやお砂糖などの栄養素の総称です。糖質と似たような言葉に炭水化物があります。炭水化物という分類には、糖質の他に食物繊維と呼ばれるものが含まれています。

 食物繊維はヒトにとってエネルギーとはならない成分で、糖質とは区別されています。つまり、糖質と炭水化物は別な言葉なのです。

 糖質はヒトの体で、極めて重要なエネルギー源として働きます。脳も筋肉も、とりあえず利用できて、素早くエネルギーを取り出せる燃料として、糖質を使っています。なので、ヒトは食事として、実に多くの糖質を摂取しています。

 栄養バランスが良いとされている日本食でも摂取エネルギーの50―60%は糖質で、残りがタンパク質や脂肪になっています。実際、日本人は主食という考え方が、根強く定着していて、まずご飯を食べることが食事の中心になっています。

 言うまでもなくご飯には相当な量の糖分が含まれています。そして、ご飯を食べない食事のときには、パン、めん、パスタ、いもなどが添えられたメニューを必ず選んでいます。

 実際、こうした糖質を多く含む米、小麦、イモがないと食べた気がしない、何か物足りないと考える人が大多数です。試しに糖質を含まないようなメニューを外食で探すのはほぼ不可能です。

 ラーメンライスやハンバーグにポテトでは、ほとんど糖質だらけになってしまいますが、ステーキだけを頼んでも、つけ合わせにはフライドポテトやスパゲッティがついていたりするものです。

 つまり、我々は知らず知らずに大量の糖質を常に摂取しているのですが、この大量の糖分を取り続けると、糖尿病になることは、ご存じのとおりです。

 ですから、意識して糖質を減らすように心がけなければいけません。かといって、糖質が必要な栄養素であることは間違いないので、全くとらないというのは、逆にトラブルを起こす恐れもあります。ほどほどに糖質を減らすのです。

 手っ取り早い方法はないか、という方に。朝ごはんと昼ごはんは、特別、変える必要はありませんが、夕ご飯でなるべく糖質を取らないようにしてはどうでしょうか。

 たとえば、ごはんは軽く一膳にとどめる、ご飯以外のおかずに、イモやパスタなどは入れない。ご飯の代わりにとうふを食べる方法もあります。中年でおなかが大きい方に、お勧めします。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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