「カジノ誘致へ議論しっかりと」
NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構理事長 大西 雅之氏
フューチャーデザインラボ会長 竹原 啓二氏
マーケティングコンサルタント 西川 りゅうじん氏
NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構理事長の大西雅之氏は、釧路の将来を考えたときに湿原や阿寒湖、アイヌ文化などが観光の売りになるとし、IR(統合型リゾート)誘致の重要性を強調した。その上で、世界の観光都市と比較すると「昼は自然があるものの、夜に楽しめる場所がなければ長続きしない」と訴えた。
フューチャーデザインラボ会長の竹原啓二氏は「日本が劇的な構造変化を迎える中、いろいろなチャレンジをしなければならない」とし、日本らしさを前面に出した今まで見たことがないような観光コンテンツの重要性を挙げた。
マーケティングコンサルタントの西川りゅうじん氏はこれらの意見を踏まえ、日本にはモナコやバーデンバーデン(ドイツ)のようなヨーロッパ型のカジノが向いているとし、「鉄火場ではない大人の社交場のようなカジノを目指すべきだ」と述べた。
大西氏は自らが訪れたバーデンバーデンのカジノについて「たった500人規模なのに、老若男女が着飾り社交場として振る舞う素晴らしいカジノだった」と称賛し、「この規模であれば阿寒湖温泉でもできると感じた」と自信をのぞかせた。
西川氏はカジノを誘致するならば、どのようなコンセプトにすべきかと問題を提起。「北海道らしさ、釧路らしさを考えなければならない」とし、アメリカのラスベガスにあるシーザース・パレスのようにネーティブアメリカンの文化を前面に押し出した例を挙げた。
大西氏はアイヌ文化を中心としたコンセプトの展開に賛同した。また、阿寒湖温泉でアイヌの人々とカジノについて議論した際の様子を紹介し、「はじめはカジノに懐疑的だったものの、ネーティブアメリカンカジノの成功例を見て考え方が変わった」と振り返った。
講演の結びとして西川氏はIRを誘致するかどうかをきちんと議論した上で、「誘致するのであれば北海道・釧路の歴史や文化を生かせるカジノにしなければならないが、一緒に組む事業者も重要になってくる」と強調した。