おとなの養生訓

おとなの養生訓 第154回「記憶の種類」 〝感覚〟など4つに分類

2019年02月22日 07時00分

 物事を、心の中、つまり脳の中にとどめておくことを記憶といいます。つまり「覚えている」ことです。記憶は脳内にとどまっている時間によって、感覚記憶、短期記憶、中期記憶、長期記憶と分類されます。感覚記憶は様々な情報が目、耳、味覚、嗅覚などの感覚器官を経て脳に届けられて0・1秒から0・5秒のほんの短い期間とどまる記憶です。感覚器官から入力されたすべての情報は一旦、ほんのわずかな期間ですが、脳内にとどまり、そこから必要な情報だけ残り続け短期記憶となります。それ以外の感覚記憶は消失します。

 短期記憶は脳内に数分間とどまる記憶です。例えば、電話で人の住所や電話番号を聞いて、それを手元の紙にメモをするというような時に用いる記憶です。メモしたので、住所や電話番号は忘れてしまっても差し支えないので、それ以上脳内に記憶をとどめる必要はないわけです。

 短期記憶のうち、その場での当面の行動に必要な記憶は中期記憶として脳内に保持されます。例えば、会話をしているときに、その話したり聞いたりしたことは、会話の継続に必要なので、中期記憶として脳内に保持されます。会話が終わると、当面は必要がないので、その内容は次第に忘れていきます。

 しかし、会話の内容の要約や特に印象的な場面、事柄、言葉など、そして、会話をしたという事実、時間、場所などは、長期記憶としてとどまることになります。この長期記憶が、一般の方が「記憶」としているものです。長期記憶も脳内にとどまるのは数時間に過ぎないものから、生涯忘れないものまであります。この長期記憶は最終的に大脳の前の方にある前頭葉という場所に貯められると考えられています。

 記憶しているかどうかは、思い出して初めて確認できます。これを想起と呼びます。想起は記憶を意識の中に乗せることなので、想起をすると記憶内容を再び記憶することでもあります。ですから、何度も想起すれば記憶は消えにくくなり、ついには生涯忘れない記憶となるのです。自分の名前や年齢、住所などを覚え続けられるのは、想起する機会が数知れなくあるからなのです。

 お酒を飲み過ぎた翌朝に、前の日の宴会のことがすっぽり抜け落ちていることがありますが、これは、アルコールが中期記憶を長期記憶にするステップを妨害するためと理解されています。忘れるほど飲むのは、脳に悪影響が残る可能性があります。ご用心。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

経審データ販売
  • 北海道水替事業協同組合
  • 川崎建設
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

きのとや、札幌・清田に新店舗 完成は11月中旬
2019年06月08日 (5,153)
ゼネコン大手4社の20年3月期第2四半期決算
2019年11月18日 (1,920)
新小樽駅周辺のイメージ動画を公開 新幹線建設促進小樽期成会
2019年11月28日 (1,523)
19年度上半期のゼネコン受注ランキング/首位は中山組
2019年11月11日 (1,522)
札幌都心アクセス道路 全線トンネル案が再浮上
2019年10月29日 (1,449)

連載・特集

特集 中国市場に挑む~大連・瀋陽リポート~new

中国市場に挑む~大連・瀋陽リポート~
巨大な中国市場に挑戦する日系企業と 成長を続ける中国企業の現状を紹介。

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第172回は「グラッパ」。イタリアの 食後酒で、フルーティーでさわやかな 香りとすっきりした後味が特徴です。

連載 深掘り

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。