おとなの養生訓

おとなの養生訓 第157回「バーボン」 香り立つロックお勧め

2019年04月12日 07時00分

 今、アメリカ合衆国で作られるウイスキー原酒のことをバーボンといっています。でも、本当は、バーボンはアメリカ中西部、ケンタッキー州のバーボン郡で作り始められたウイスキーのことです。材料は大麦だけのスコッチウイスキーと違い、50%以上のトウモロコシを使い、他は、ライ麦、小麦、大麦が加わります。

 バーボンというのは、フランス語の「ブルボン」の英語読みです。ブルボンは中世フランスに君臨した王家の姓です。アメリカ独立戦争のときにブルボン朝フランスが応援してくれたので、それに感謝して、ケンタッキー州の郡の名前にしたのだそうです。だから、本当は「ブルボンウイスキー」というべきなのでしょう。

 バーボンウイスキーは同じ製造法によりケンタッキー州で広く作られるようになり、それをすべてバーボンウイスキーと呼ばれるようになりました。実は隣のテネシー州でも同じ製造法のウイスキーが作られているのですが、製造者は誇りを込めてテネシーウイスキーと表示しています。有名なジャックダニエルがそうです。というわけで、少なくともケンタッキー州産のウイスキーをバーボンと呼ぶのが正しいと思うのですが、アメリカでは法律で決められた製造法で作られたアメリカ産のウイスキーはバーボンと呼んでいいことになっています。

 私は若いころからウイスキー好きです。実は、日本酒は甘くて気持ちが悪く、ワインは酸っぱくてだめ、ビールは苦いと敬遠していたのです。もちろん、今はすべておいしくいただいていますが。そんな私がバーボンと出会ったのは20代後半。その頃は関税の関係で高級ウイスキーでした。でも、バーボンの主成分であるトウモロコシの香りに魅せられて、バーボンばかり飲むようになっていました。

 ウイスキーはストレートで味わうのが本道と考えられています。もちろん、バーボンもそうなのですが、意外とお勧めなのはロックで飲むことです。ウイスキーの香りを楽しむためには、少量の水を加えるといいとされます。水割りではありません。少量の水を垂らすのです。ロックにすると、氷の表面が徐々に溶けて、バーボンのトウモロコシの香りを引き出してくれるのです。バーボンはロックが最高です。あくまで個人の意見ですが…。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 東宏
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,409)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,283)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,244)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,113)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (894)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。