おとなの養生訓

おとなの養生訓 第159回「連休の後遺症」 疲労に加えストレスも

2019年05月10日 07時00分

 今年のゴールデンウィークは空前の10連休でした。もちろん、国民全員が10日間休んだわけではないと思いますが、それにしても、かなりの人は10連休になったと思います。連休といえば必ずテレビに出るのが、行楽地と交通機関の混雑ぶりです。とくに高速道路の渋滞は一種の風物詩となっています。という訳で、連休を楽しむために混雑に遭遇して、すっかり疲れてしまった人がたくさんいます。10連休では最後の数日は、むしろ、早く仕事に戻りたいと思っていた人も多いかもしれません。仕事より連休の方が疲れるというのは、まさに本末転倒です。

 かといって、仕事に復帰しても、数日は調子が上がりません。体のリズムが日常の仕事モードになっていないからです。連休中の疲れを持ち越している人も多いみたいです。下手をすると、仕事上の失敗につながるかもしれません。何せ、疲れているのに連休のために仕事は山積みになっているのですから。

 やはり、日本人は休暇の使い方が下手なような気がします。昔の話になりますが、アメリカにいた時、長いバケーションを取った後の職場のメンバーはみんな元気で、職場に戻ってきたことを残念に思っていたようです。「まだまだ楽しみたかった」と。やはり、連休は疲れをいやして持ち越さないような楽しみ方を選ぶべきなのです。一番良くないのは、「せっかくの連休だから、普段できないことをしよう!」と無理をすることです。

 ところで五月病って、日本特有の症状だって、ご存知でしたか?ゴールデンウィークがない欧米では聞かない表現なのです。日本は4月が年度替わりなので、新入や転勤、異動など、職場の環境が激変します。そのストレスを何とかしのいで、4月を乗り切ると、ゴールデンウィークがくるのです。折角、職場に慣れ始めたころに、連休があるので、リズムが狂ってしまいます。

 そこで、連休に仕事以外のことをして、連休明けに仕事に戻ると、体力的な疲労に加えて、仕事のリズムに戻れなくて、ストレスがかかります。結果として、仕事に熱中できず、ぼんやりして、場合によっては、気分が下がってしまい、うつ状態となるのです。大学では連休明けに、急に自主的欠席が増えるのです。これが五月病の正体です。

 本当は、連休は6月ぐらいがいいのではと思っています。休日はいわれがあるから、日付は変えられないのは十分承知なのですが…。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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