おとなの養生訓

おとなの養生訓 第172回「グラッパ」 フルーティでさわやか

2019年11月29日 15時00分

 グラッパというお酒をご存知でしょうか。イタリアで食後に楽しむお酒として、ごく一般的なものですが、日本ではあまりなじみがありません。基本的にはブランデーのようなお酒ですが、製法も味わいも別なものといえるでしょう。

 まず材料ですが、ワインを造るために果汁を絞ったあとの、ブドウの実や皮などの搾りかすです。それで、かす取りブランデーとも呼ばれます。つまり、産業廃棄物の有効利用です。この搾りかすを発酵させ、蒸留します。この後は、すぐに瓶詰めしたり、樽で熟成したりして製品とします。なので、透明なものから熟成中に色がついたものまで、さまざまな種類が造られます。

 貴族にワインを納めた後に残った搾りかすで、農民がお酒を造ったことが始まりといわれています。農民はワインを口にできないので、グラッパで我慢したという訳です。まさに庶民のお酒です。

 ワインを蒸留したブランデーは、芳醇な香りとまろやかな口当たりが定番ですが、グラッパはちょっと違います。香りはむしろワインそのもののフルーティさで、さわやかさが広がります。

 ただ、若干くせがあり、わらのような匂いが混じります。これは悪い匂いではなく、この匂いがグラッパらしい個性を主張するのです。味わいはすっきりとしていて、後味はスムーズです。味に飽きることがないので、次を誘います。

 イタリア料理を堪能して満腹になった状態で、グラッパが入ると、口の中も気分もすっきりとします。やはり地の食べ物には、地の酒です。ただ、あくまでも蒸留酒。アルコール度数は高く、酔いが回りやすいお酒ですので、調子に乗っていると失敗します。

 イタリア料理が流行し始めて、かなりの時間がたち、「イタ飯」という言い方も、普通に通じる昨今ですが、イタリアンレストランにも、イタリアンバールにも、グラッパを置いてあるお店はまだ少数です。少し残念な気がしています。

 グラッパの個性やアルコールの強さが、日本人の口には合わないと、あるシェフが説明してくれました。そんなことはないと思います。ワインがお好きな人なら、抵抗なく飲めるのではないでしょうか。

 食後や2次会でワインを続けるより、グラッパですっきり締めるのは、結構おしゃれなのではと、おしゃれと縁遠い私は思っています。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

株式会社クリエイター
  • イイファス
  • オノデラ
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

工事が順調に進展 仮称・苫小牧中央インター線
2020年06月16日 (2,393)
コストコ 石狩湾新港に道内2店目を検討
2019年12月12日 (1,913)
道央道で高強度繊維補強コンの試験施工 東日本高速道路
2020年06月29日 (1,678)
コストコ石狩倉庫店 21年春開業へ
2020年04月24日 (1,456)
初感染から4カ月 コロナが変えた北海道
2020年06月03日 (1,045)

連載・特集

連載 札幌市新幹部に聞く2020new

札幌市新幹部に聞く2020
4月1日付の人事異動で現ポストに就任した、新幹部4人に今後の抱負などを聞いた。

連載 深掘り

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第185回は「ウイルスは弱い」。新型コロナウイルスも細胞がない環境では死滅してしまいます。