深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り キャリアバンク 水田充彦海外事業部長

2020年02月14日 09時00分

水田充彦海外事業部長

特定技能外国人を支援

 外国人労働者が増え続ける本道。総合人材ビジネス道内最大手のキャリアバンクが、外国人材の採用・就職支援に力を入れている。海外事業部長を務める水田充彦執行役員に同社の取り組みや外国人採用の在り方、また昨春始まった新しい在留資格制度「特定技能」に関する見解を聞いた。

 ―外国人材を扱う専門部署を設けている。

 5年前、外国人留学生の就職支援などをメインに海外事業室を発足させた。業務が拡大し、昨年6月に部に昇格した。スタッフは約30人。ベトナム、中国、ロシアなど外国人社員も在籍している。

 昨年1年で約400人、5年間累計では1000人以上の外国人をサポートした。当初はITや教育といった分野が多かったが、このところ農林水産、製造など1次・2次産業の企業から外国人採用の相談を受けることが増えている。

 ―建設業も働き手不足で、技能実習生を筆頭に外国人材のニーズが強い。

 当社は技能実習に関わっていなくて、外国人に関して建設業との取引はなかったが、特定技能制度のスタートで接点ができた。当社は特定技能の外国人を支援する「登録支援機関」に道内で最も早く認定され、ノウハウを蓄積している。今は、建設業で技能実習生として働く外国人を特定技能に移行するお手伝いをしているところだ。

 ―支援機関の役割は。

 その外国人が分かる言語で来日前に労働条件を説明することに始まり、日本での日常生活文化のガイダンス、日本語学習の支援など、法令で定められた支援業務をやる。雇う企業が自社でできればいいが、多くの企業は余裕がないため当社のような機関に委託する。

 ―特定技能制度は、技能実習を終えた外国人への適用を想定してスタートしたものの、政府の見込みほど増えていない。

 確かにまだ少ない。特定技能の過半を占めるベトナム、中国で日本との政府間協議がまだ途中で、人材の本格的な動きになっていないのが現状だ。

 ―雇う側も反応は鈍い。特定技能の外国人は技能実習と違って転職の自由があるため、「辞められるのでは」と不安視する向きもある。

 この制度で外国人が職を転々とするような事態は起こりにくいとみている。というのは、所属企業が変わるたびにあらためてビザ発行の審査が必要になるからだ。

 「特定技能1号」資格で日本に最長5年いられるが、5年有効のビザをもらえるのではなく、最長1年のビザを更新し続ける仕組みだ。仕事を簡単に辞めているようなら、更新時に許可される次の滞在期間が短くなる可能性もある。退職にはリスクが伴う。

 ―特定技能は日本人と同水準の賃金が必要で、企業の負担は重そうだ。

 その点は誤ったイメージが世間に広がっている。実習生を最低賃金で雇うのを普通と思っている人もいるが、日本政府は特定技能と同じく、実習生に対しても日本人並みの賃金を求めている。特定技能に特段の負担感があるとすれば、日本人の4年目以降の社員と同じ報酬になるため相対的に高く感じるのでは。

 ―これまで外国人の就労状況を見てきて、どんな課題を感じるか。

 雇う側が外国人社員に仕事のやり方、生活習慣など一方的に日本式を押し付ける場面も見られる。外国人社員が日本について学ばなければならないのは当然だが、企業も日本人を雇うのとは違う意識を持って、彼らの事情や文化を尊重して学ぶ姿勢が必要だ。加えて、入管法をはじめとするさまざまな制度の知識も不可欠となる。これからも外国人労働者が増えるのは間違いない。北海道が国籍を問わず働きやすい地域になるよう、当社もサポートを充実させたい。(聞き手・吉村 慎司)

 水田充彦(みずた・みつひこ)1978年兵庫県加古川市出身。北大経済学部卒業後、2004年キャリアバンク入社。15年海外事業室配属。19年6月より現職。日本語学校の札幌ランゲージセンター常務を兼任している。

(北海道建設新聞2020年2月13日付2面より)


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