深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り ノースファインプランニング 高沼彰寛社長

2023年06月30日 10時00分

高沼彰寛社長

旭川はRC造の売り上げ増加

 ノースファインプランニング(本社・札幌)は、札幌を中心に年間700―1000戸の賃貸マンションを供給している。事業エリアを広げる中、2020年度開設の旭川支店では売り上げを伸ばすため、木造中心から旭川駅周辺でのRC造に狙いを定め、22年度は10棟の受注を実現した。6月に2代目の社長に就いた高沼彰寛氏(41)に同社の強みや展望を聞いた。

 ―マンション事業の状況を。

 年平均してRC造で40棟、木造で20棟ほど企画賃貸物件を受注している。1棟当たりの戸数はRC造で20戸、木造で10戸程度だ。札幌を中心に近郊の小樽や北広島、江別、千歳でも仕事がある。最近は旭川での受注も増え、派生して留萌や士別、羽幌といった道北地域でも依頼を受けるようになった。

 直近5年間は施工棟数に大きな変動はないが、1棟当たりの規模が大きくなっている。限られた土地で収益性を確保するため、中高層のRC造に力を入れている。

 ―今後の札幌エリアの需要をどう見るか。

 土地の価格が上昇する中、戸数が少ない木造アパートの収益性は特に厳しさを増す。しかし、本道のアパート・マンション経営の利回りは、道外と比べると依然として高い。投資家サイドから見ると〝低リスク中リターン〟の手堅い投資としてマンションほど良い商品はない。開発は鈍らないと捉えている。

 入居者のニーズは二極化している。安価なワンルームや1LDKを求める層がいる一方、持ち家、分譲マンションの価格高騰を受けて2LDK、3LDKの賃貸を求める需要もある。両方のニーズを満たすため、1LDKと3LDKをセットにした物件なども手掛けている。

 ―旭川に進出したきっかけと現状を。

 地方での受注が増えてきて、倶知安に続く拠点開発として目を付けた。旭川では当初、木造を中心に手掛け、20年度と21年度は売り上げが1億―2億円だった。さらに売り上げを伸ばすために、新築が極めて少ない旭川駅周辺のRC造に狙いを切り替えた結果、22年度は、契約ベースでRC造10棟を請け負い、受注額は約20億円に上った。

 大企業の支店長や車を持たない共働きの若い世代を中心に、まちなかのRCマンションの需要がある。家賃は1LDKで7万円、2LDKで10万円ほどと高価だが、入居状況が良く、札幌に比べると土地の価格も安いため収益性が高い。

 現在も10件ほどの相談を受けていて、今後もこのペースで受注できればと考えている。

 ―会社の強みは何か。

 2000年の創業以来順調に成長したが、05年をピークに売り上げが落ち込み、数年間つらい時期が続いた。しかし、顧客や下請け業者の支えで徐々に回復した。14年には、仕入れ価格と販売価格を見直し、人事異動など社内体制を一新したことで経営が安定。V字回復を経験していることは大きな強みだ。

 経営が安定し、工期の長期化にも対応できている。最近は大工の数が減り、近隣への配慮で作業時間も限られる。工期が延び、入金まで時間を要する場合も多いため、柔軟な資金繰りが必須だ。

 ―新社長としての展望を。

 来年から週休2日制を検討している。若い人材を雇用し、営業担当者が抱えている事務作業を分担できれば、工事までの流れがスムーズになる。同時に営業のノウハウも伝えることで、うまく世代交代を図りたい。

(聞き手・千葉有羽太)

 高沼彰寛(たかぬま・あきひろ)1982年5月、岩見沢市生まれ。酪農学園大卒業後、2005年入社。14年から経理部長を務め、6月1日から現職。

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