深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り 日動 前川大輔社長

2023年06月15日 12時00分

前川大輔社長
※写真は同社提供

地方都市でも宿泊業促進

 分譲マンションやホテルなど幅広い事業を展開する日動(本社・札幌)は、資材高騰下でも経営効率化に取り組みながらリーズナブルな価格帯でマンションを販売し、成約を伸ばしている。千歳市内ではラピダス進出を契機とする住宅や宿泊需要、観光の回復を見越してホテルか賃貸マンションの開発を検討。将来的に道内地方都市でも長期滞在型の宿泊施設を視野に入れる。前川大輔社長に事業展望を聞いた。

 ―分譲マンション事業の状況は。

 供給は年間2棟、60―100戸と決めているため、販売ペースは変わらず、売れ行きは悪くない。2月に中島公園エリアで販売開始した物件は、近く完売する。これとは別に北大エリアでも販売を準備中だ。資材高騰などでマンション価格は上昇傾向にあるが、当社はある程度、予測して準備をしたため他社より価格を抑えて提供できている。こういう時こそ、値頃感を出すことが大事だ。

 ―どのように販売価格を抑えるのか。

 広告を内製化したり、モデルルームを常駐化するなど、いろいろと工夫している。さらに10階以上はラーメン構造が主流だが、5階以下とする低層の壁式構造にすることでコストを下げることが可能だ。低層でも採算が取れるような土地は仕込んでいる。販売価格が上昇する中、変化のスピードに合わせて対応することが必要だと思う。賃貸事業や管理業と多岐にわたって事業転換していて、分譲マンション専業でない点も顧客に還元している要因だ。

 ―分譲マンション市場はどのように見ている。

 調整期に来ていると感じている。戸建ては昨年から売れなくなってきて、マンションに関しても今後顕在化はするだろう。金利の動向を含めて注視している。

 ―道内観光が回復傾向にあるが、ホテル事業の状況は。

 札幌で運営する「ホテルクラッセステイ札幌」の稼働率は平均80%まできている。昨年は30―40%で、客室単価は今の半分で営業していたため、確実に回復している。千歳の「ホテルクラッセステイ千歳」の稼働率も60%から70%にまで上昇してきた。千歳に関しては、周辺地域を含め工業団地への企業進出が盛んなことから、ビジネス関連の宿泊ニーズがあったことで、コロナの影響はあまり受けていない。

 千歳市内はラピダスの次世代半導体工場で盛り上がりを見せている。さらにインバウンドが戻ってきているため今後、宿泊施設や住居は確実に足りなくなるだろう。こうした需要に応えるため、ホテルクラッセステイ千歳の敷地内でホテル増築か賃貸マンション新築を検討している。近く方向性を決め、年内にも着工したい。賃貸マンションであれば、100戸規模の建物を建設することは可能だ。

 ―ホテル開発は今後も増えるのか。

 道内地方都市で長期滞在型の宿泊施設を増やしたいと考えている。当社ブランドの「ホテルクラッセステイ」を始めたのは、沖縄やニセコなどリゾート地にはコンドミニアムがあるが、都市部で見ることは少なく、疑問に感じていたことがきっかけ。今後、旭川や函館、帯広をはじめ、地方都市での観光は盛り上がるため、コンドミニアムをやってみたい。道内で普及させて将来的には道外進出を目指す。(聞き手・武山勝宣)

前川大輔(まえかわ・だいすけ)1976年生まれ。札幌市出身。2003年日動サービス常務に就任。05年に日動の常務、07年から現職。北海道住宅都市開発協会常務理事も務める。

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