おとなの養生訓

おとなの養生訓 第191回「じゃがいも」 バランス良く栄養補給

2020年09月11日 10時00分

 北海道の秋の味覚の一つに、じゃがいもがあげられます。もう少しすると出回る「新じゃが」を楽しみにしています。じゃがいもの料理法といえば、ふかしてバターを乗せるじゃがバターや、牛肉と甘辛く煮込んだ肉じゃがなどが代表でしょうか。

 もちろん、カレーやシチューの大事な具でもあります。コロッケはじゃがいもなしには成立しませんね。ファストフードでもじゃがいもは重要です。フライドポテトがないハンバーガーやフライドチキンは、何か決まりません。これは好みが分かれるようなのですが、じゃがいも入りの豚汁は、さといも入りのものより、味が濃くて、断然おいしいという偏見を私は持っています。

 お酒の友としても、じゃがいもは大活躍します。ポテトチップスはスナックの代表選手で、ビールやウイスキーによく合います。そして、隠れた人気者がポテトサラダです。ポテトサラダだけをつまみにして、日本酒をちびちびと楽しむ人が、意外と多いとか。一見、和洋折衷でバランスを欠く取り合わせにも見えるのですが、これが意外といけるのです。

 じゃがいもはでんぷんの塊、糖質の権化みたいなもので、食べると肥満に直結すると思われがちですが、案外そうではありません。同じ量のご飯と比較すると、含まれるエネルギー量(カロリー)は半分ぐらいなのです。お腹を満たすことができて低カロリーとくれば、食べない手はありません。さらに、糖質を効率よくエネルギーにするビタミンB群が豊富に含まれています。

 さらに、体を頑丈にし、血管の健康を保つビタミンCが、じゃがいもには豊富に含まれています。その量はミカンなどに匹敵します。ビタミンCは熱に弱いので、加熱する料理では失われると思われがちですが、じゃがいもの場合、豊富に含まれるでんぷんが、ビタミンCを熱から保護するので、煮込み、フライにしてもかなりの量のビタミンCが摂取できるのです。いいことずくめですね。

 お酒を楽しむとき、栄養のバランスに気を配る人は少ないとは思いますが、じゃがいもを食べるように心掛けると、意外といいバランスで栄養補給ができるのです。晩酌はポテトサラダのみと定めて、減量に成功した、医者である友人を知っています。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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