季節の変わり目に体調を崩す人がいます。天候が変わり、晴れたり、曇ったり、雨が降ったり、日替わりで変化します。そのために気温が激しく上下して、いわゆる寒暖の差が大きくなります。湿度も大きく変化します。カラッとした日とジメジメとした湿気が多い日が日替わりで現れたりします。こうした天候の激変が体調に大きな影響を及ぼすわけです。特に秋から冬、春から夏の変わり目は、気温が急激に変わるため、体調管理が重要な時期になります。そして、もう一つ、夏から秋の変わり目は、特に体調の変化に気を配らなければなりません。
今年も夏の暑さが続いています。涼しいといわれる北海道でも、この数年は暑さが厳しく、気温が30度以上の真夏日が何日も出ています。さらに、湿度も高めに経過していて、地球温暖化の影響ともいわれています。
これまであまり経験していない暑さが続くと、夜よく眠れないとか、食欲が落ちるなどの影響で、体がだるく、元気が出なくなります。いわゆる夏バテです。夏バテは基本的に疲労の蓄積によって起こるので、夏の後半から秋口に出やすいのです。暑さが一段落して、ほっとしたところで、バテに気付くという形です。
また、新型コロナウイルス感染の流行により、冬からずっと防御に気を配っています。3密を避ける、マスク着用、手洗いの励行、宴会やイベントの中止、リモートワークなど、これまでに経験したことのない日常が続いています。皆さん相当なストレスをため込んでいると思われます。そうしたストレスの蓄積がこの夏の暑さと相まって、体にかなりなダメージを与えていると考えられます。ひどい夏バテが出てくる危険性があります。
まだまだ寝苦しい夜が続くと思われますが、なるべく十分な睡眠を取るよう心掛けてください。食事も食べ過ぎない程度で、しっかりと3食を取る必要があります。晩酌が多くなると睡眠を妨げ、寝付いても途中覚醒が多くなり、良くありません。また、睡眠中に脱水が進んで熱中症になる危険性もあります。晩酌は控えめにするのが得策です。
休日はしっかりと休みを取るようにして、体調を整えておきましょう。
(札医大医学部教授・當瀬規嗣)