会社探訪記

 地域に根差した企業を不定期で紹介します。

会社探訪記 遠藤木型 世に出る製品を下支え

2020年10月07日 12時00分

業界先駆け3次元測定機導入

 遠藤木型(本社・札幌)は、鋳造やFRP、コンクリート製品の木製型を作る会社。橋の高欄飾りからオーダーメード風呂、建築装飾品、機械部品までさまざまな製品の木型を作る。業界でいち早く5軸NC加工機や3次元測定機を取り入れ、商業施設のショーウインドーなどで飾られる精密な造形物の製作を試作段階から支えている。

データに沿った高精度な切削ができる5軸NC加工機

 遠藤貞三氏により1948年4月に創業。99年に社長を継いだ息子の貞幸氏は設備投資に積極的で、2003年に3次元CAD設計ソフトのSolidWorks(ソリッドワークス)を導入。05年に国内最大級となる平安コーポレーション(本社・浜松)の同時5軸NC加工機、17年には木型業界で珍しい3次元測定機を取り入れた。

 木型は、製品を世に出す前の試作段階で、デザインを検討したり不具合を確認したりする上で必要な型。金型よりも安価で、試作品に改良を加えるときに対応しやすい特長がある。

 遠藤木型の仕事は1点ものが大半。これまで鋳物の製品では、ドーナツ用の型やクラシックカーのエンジンヘッドカバー、大型パイプなどを手掛けた。FRP製品は救急車両の搬送パーツやオーダーメード風呂など。建築関連では店舗外装の装飾品や学校窓のアーチ部分などを作った。

 3次元測定機を導入してから、現物をパソコン上でデータに表すことができ、ミニチュアから実寸大のパーツを作ったり、小さな原形から大きなオブジェを制作したりするのが可能になった。最近は、商業施設や公共施設で飾られる造形品の注文も多くなった。

 19年4月に、貞幸氏の長男・俊一郎さんが社長を継いだ。高校卒業から家業をサポートし、父の仕事ぶりを見ながら造形作業に汗した。20年余り連れ添ったため、勝手はよく理解していた。

遠藤社長

 社長になってから1年半ほどが経過した。「コロナと増税が業績に大きく影響した」と振り返る。

 新型コロナウイルスの影響で、夏に開催予定だった東京五輪・パラリンピックが1年延期。イベント用の造形物に関する相談が、めっきり来なくなった。消費税の10%増税で、民間企業の設備投資に対する意識が低くなっていることも肌で感じている。

 「同業の多くは一人親方で、将来に向けた設備投資や人材確保には消極的な人が多い。だが、お客さんのためにも木型の仕事は誰かが続けなければならない」と力を込める。

 「父は3次元CADソフトを導入するなど、先行して事業の幅を広げた。おかげで、さまざまな人と出会うことができた。コロナに負けず頑張りたい」と話している。

(北海道建設新聞2020年10月5日付3面より)


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